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闘病履歴153

醜い姿は見せたくないのだよと、子供の霊魂は言った。

黒が尋ねる。





「君の親は随分と悲しい思いをしたんだね?」





子供の霊魂が答える。




「世間体もあり、引きこもり泣いてばかりいたよ。でも周囲の同情も一身に集まり、保険金絡みで沢山金が入り、お金持ちになって喜んでいたよね。最初は冥福を祈るとか言って、よく仏前に泣きながら拝んでいたけれども、所詮死んだ者は忘れられ、放置される定めなんだよ。僕もその例に倣って放置だからね。でもそれが僕の寂しさを一段と募らせ、呪いの力をアップさせる原動力になり無類の力を持つ死に神になれたしね。両親が不治の病にでもなって死ぬ時は、僕が容赦なく鎌を振るって、介錯してやろうかなとは思っているんだ。それが放置プレイしてくれた親に対する、僕のせめてもの親孝行かもしれないしね」





生き霊が尋ねる。





「君の…遺骨は…御先祖様と一一緒…に葬られてい…るんだ?」





子供の霊魂が答える。




「バラバラ殺人の遺体遺棄だからね。足首の処の骨しか見付かっていないのさ。まあ醜い遺体を見られたくないから、僕はそれでいいと思っているんだよ」





白が尋ねる。





「君は私達に姿見せないけれども、君の姿は死んだ時そのままだから見せたくないの?」





子供の霊魂が答える。




「ピンポン。バラバラになる前の、全身青痣、生傷だらけの、火傷にただれ、目もえぐられ潰れた無様で醜いだけの姿だからね。恥晒したくないし、見せられたものではないからね、姿隠しているのさ」

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