闘病履歴152
嘘だ、全身焼かれて痛い思いしないと分からないさと、子供の霊魂は叫んだ。
子供の霊魂が続ける。
「全身火傷でただれ痣だらけになりながら、紫色のベルトで首を締め付けられると、僕の潰れた眼にはライターの火が白く見えたんだよ。その時葉っぱの裏側に白い炎で出来た天国が見えたんだよ。白い葉っぱの天国は、ライターの白い火で、その白い火を僕は髑髏になった白い手で掴んだんだ。そしたら白いライターの火が全身を焼いて、葉っぱの裏側から天国が滴り落ちて来たから、僕はその白い火の滴りと一体化したら、熱いのも、痛いのも消えたんだよ。あの葉っぱの裏側から滴る白い炎の天国は、そのまま僕の真っ白い呪いとなり、今の僕になったんだよ。そして僕は白い呪いの火で、あの猟奇オタクの残忍な視線の裏側にあるエロいだけの眼球を焼いたんだよ。奴は死刑が確定し、拘置所の中で、僕の葉っぱを裏返した黒い火に夢を焼かれ、のたうちまわりながら、苦しみ抜いた末に十三階段を上り、首を括って、こちらに来たから、呪いの白いライターの髑髏火の触手で封じ込めて、未来永劫白いライターの火で焼かれながら四ツ角でのたくっているのさ。あの糞毒蛇野郎はね、ざまあみろ!」
第三の目が言った。
「君の呪う気持ちは分かるような気がするよ」
子供の霊魂が叫び声を上げた。
「嘘だ、全身焼かれて痛い思いしないと分からないよ!」




