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闘病履歴140
助けを求めたのに、助けてくれなかった大人全体を呪う子供の霊魂の心とは?
霊媒師が続ける。
「その子が虐め虐待誘拐などに遭遇し、殺されているならば、境遇の似ている彼女を冥界に誘いたいと言う願望は畢竟強固なものとなりますね」
拓郎君が尋ねる。
「何故ですか?」
霊媒師が答える。
「仲間だからです。その子は大人の手で無残に殺されているならば、文句無しに大人を呪っているわけです。それはそのまま彼女を大人を呪う仲間として認識し、憎悪を分かち合う所以ともなるわけです」
拓郎君が言う。
「そんなの無茶苦茶な論理じゃありませんか?」
霊媒師が答える。
「そうでしょうか。その子は殺された時、無力な子供だったので、泣きながら犯人に助けを求めた筈なのです。でも犯人は冷酷に殺した。そんな状況の中で、その子が助けを求めたのに助けてくれない、大人全体を呪ったとしても何も不思議は無いわけです」
拓郎君が注釈を入れる。
「でもその子は事故に遭って死んだ可能性もあるのでしょう?」
霊媒師が首を振り言った。
「無力な事には変わりなく、同じ事です」




