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闘病履歴136
真華の夢を司る無意識の内側で、三人の分身が注視する中、生き霊は犬への化身の術を成して行く。
生き霊は考える。
冥界の法則性にがんじがらめにされているせいで、空は飛べない。
それは猫の霊魂とて同じなのだと。
ただ猫の霊との大きな違いは一点動きの敏捷さにあると断言出来る。
例えば夢見術を肉体の外側で施し、冥界を夢見術で自由に制御し、何不自由なく思い通りに空を飛べれば、猫の霊に襲われる事は無いと言えよう。
だが力無き者に冥界の法則性は自由を与えない。
だから夢見術は肉体の内側でしか成就しないわけだ。
Mや真華の夢見は自在にコントロール出来ると生き霊は感じている。
そして化身の術は真っ黒い己の体を夢となし、Mに対する情けを以って念じれば、形を成して行くのだ。
生き霊は真華の夢を司る無意識の内側で、三人の分身達が注視する中、四つん這いになり、自分が獰猛な犬の姿になって行くのを、夢見を制御するのと同じように強く念じた。




