闘病履歴132
猫の霊魂の天敵は犬の霊魂?
暗礁に乗り上げた感じで、打開策を求め拓郎君は霊媒師に助言を求めた。
霊媒師が答える。
「無敵とも思える悪霊にも必ず苦手なものは有る筈なのです。これは私が浄霊した例なのですが、肺病で死んだ霊魂は煙草の煙を嫌う習性が有ると言った事例が実際問題有ったのですが、そんな感じで猫の霊にも必ず弱点はあると思うのですが、どうでしょうか?」
拓郎君が言う。
「単純明解、猫の天敵は犬ですよね。だったら番犬代わりに犬の存在を臭わすような物を生き霊達が保持していれば、魔よけにはなりますが。でも今回の猫の霊魂は死んでから相当数齢を重ねていそうだし、もう犬も怖がらないかもしれませんが…」
霊媒師が答える。
「それは面白い発案ですよね。一番良いのは犬の霊魂が番犬代わりになり、生き霊達についていてくれれば心強いのですが」
拓郎君が言う。
「生き霊とて霊魂のはしくれならば、分身の中の一人が犬に化けるというのはどうでしょうか?」
霊媒師が色めき立つ。
「化ける事は無理かもしれませんが、犬の鳴き声をまねたりする事も効果はありそうですね?」
拓郎君が言う。
「いや、吠えるだけでは何も怖がらないと思いますから、やはり真正の犬に化けた方が効果覿面だと思いますが、いかがでしょう?」
霊媒師が答える。
「電磁波に乗るよりは現実味があると私は思います」




