闘病履歴13
手遅れになる可能性だってあるじゃないかと、黒は喚いた。
熱が出て来た。
病院に行くべきかどうかを真華は黒に尋ねた。
黒は賛成する。
「病院行きは俺は賛成だな。病院に行けば、憑依はされないだろうし、風邪は治るし、一挙両得で失うものが無いではないか」
白が反対する。
「病院に行って又精神障害を見破られて、閉鎖病棟送りになるわけ。憑依されて病気になりましたなんていう話しは、現代医学は一切信用しないからね。薮蛇になるのが落ちじゃない」
黒が反論する。
「しかしこのままでは身体が消耗して行く一方だし、消耗したところに再度憑依されたら命取りになりかねないぞ」
白が言う。
「その時はその時で拓郎を呼べばいいのよ。そうすれば回避出来るじゃない」
黒が真っ向反対する。
「手遅れになる可能性だってあるじゃないか?!」
白がうそぶく。
「拓郎に近くまで来て貰えばいいのよ」
黒が喚く。
「拓郎にだってプライベートはあるんだ。こちらの御用聞きではないのだし!」
「そんなの関係ないわよ!」
二人の話しを聞いている内に真華は高熱の内にまどろんだ。
その眠りに忍び込むように黒い存在が又しても憑依して来た。




