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闘病履歴127
遠回りするイメージを頭に描き、生き霊は真華への道のりを歩いて行く。
生き霊は遠回りするイメージを頭に描き、霊道を歩いている。
緑がかった世界の中で、自分が歩き前に移動している感覚だけはある。
その感覚に遠回りするというイメージを注入して行く。
その移動の先に、センサーのごとく真華の体温を感じ取り、それと一体化し憑依すると、移動は終わる。
左に大きく遠回りする道のりを頭に描きながら生き霊は歩を進める。
例えば、ここで猫の霊に尾行されたとしても、足音一つ聞こえないし、振り返る事も出来ないので、生き霊は気が付かず感得する事は出来ない。
尾行されている事を恐れつつ、生き霊は前方に慣れ親しんだ真華の体温を感じ取り、それに向かってゆっくりと歩を進めた。




