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闘病履歴126

尽きる事のない争いこそが、生きる糧となっている哀しみとは?

黒猫の霊は考える。





輪廻転生など無いと。




何百年にも及ぶ縄張り争い。





あくことのない闘争の歴史こそが、自分の歴史であると。





苛烈な縄張り争いの中で、自分は人間の刃物で切り殺された。





理不尽な殺戮。




その一族は七代に渡り祟って、殺し尽くし根絶やしにした。





その後は、己の縄張りに無遠慮に侵入して来た者を怒り心頭に攻撃し、排除する事のみに精を出した。





侵入者を排除すれば縄張りの静寂は保たれる。





その静寂は涅槃のごとく安眠を与えてくれる。




眠りながらも、神経を研ぎ澄まし、縄張り全体に張り巡らされた神経叢に侵入者が触れると、そのポイントに瞬時に移動し牙を剥く、その繰り返しだ。




それでも侵入を止めない者には、執念を以って追い撃ちをかける。




食事も摂らず、水も飲まない黒猫の霊にとって、尽きる事のない争いこそが、生きる糧となっている。

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