闘病履歴12
白がヒステリックに主張する?
真華は風邪を引き寝込んでしまった。
この状態は真華にとってはかなりまずい状況と言える。
生き霊は真華が人と接触するのを嫌う。
つまり真華を孤立させておいて、憑依する形を取る。
逆に言えば、人との接触を図れば、憑依は免れる形なのだが、真華は憑依されなければ、相手の存在の何たるかが判明しないので、風邪で寝込む形を由として、外部との接触を絶ち、自宅にこもった。
横たわり風邪薬を飲んで、水分補給をしながら、同一性障害の人格達の緊急ミーティングに耳を傾ける。
黒真華が言う。
「この風邪をもたらしたのが奴ならば、奴は病気を運ぶ病魔であり、次憑依されたら新たなる病気をもたらす可能性があり、それはかなりまずい状況だから、人との接触を図った方が良いのではないか?」
白真華が答える。
「いや、でも憑依されなければ、相手を特定出来ないじゃない?」
黒が言う。
「いや、病気が重くなったら特定どころではなくなり、人との接触を図り、憑依を避けながら、客観的に対処して行った方が無難だと思う」
白が反論する。
「それをしたって、相手は自分を特定させない力を行使すると思うし、こんな風邪状態では外に出向く事すら出来ないじゃない?」
第三者の眼が加わる。
「いずれにしてもリスクはあり、相手の出方を探るにせよ、今は身体的に無理は出来ない状況だしな。自然な流れに身を任せるしか無いのでは?」
黒が再度主張する。
「でもこれ以上病気が昂進したらまずい状況なのでは?」
白がヒステリックに反論する。
「でも身体が重くて、実際問題動かないのだから、流れに身を任せるしか出来ないじゃない!」




