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闘病履歴112

神気の注入は遅々として進まない。

神気との一体化がタオなのだと拓郎君は思う。





だが肉体に神気を体現するには瞑想の境地に至らなければならない。





ありとあらゆる場所に神気たるタオは実在しているのだが、それと一体化するのは至難の業と言えよう。





陰陽の中で、タオは変幻自在にその実存の在りかを変えて行く。





陰は陽となり、逆も真なのだ。





在るが無く、無いが在り、高貴で幽玄なる不可視、不可知なる存在として、質量は持たないが、無尽蔵のエネルギーを有しているのがタオなのだ。





そのタオの注入こそが真華を悪霊の魔の手から守護する手練手管なのだが、ままならない。





そして真華は導引術の何たるかを弁えず、遅々として伝授は進まない。





逆に言えば、真華が導引術をマスターすれば硬気功バリアーを形作り、そのバリアーに導引術で内側から圧力をかけて行けば、悪霊の侵入は防げる計算になる。





全ては真華の導引術マスターにかかっているのだと念じつつ、拓郎君は神気の注入を進めて行った。

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