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闘病履歴109
硬気功バリアーは無駄だと拓郎君は考えた。
拓郎君が真華に気功を施す。
拓郎君は考える。
霊魂を退ける方法としては硬気功は役に立たない。
何故ならば、霊的な存在は厚いコンクリートの壁でも平然と抜けてしまうからだ。
だから硬気功バリアーを真華の周囲に結界として張り巡らしても無駄なのだ。
ならばと、拓郎君は考える。
真華の全身の気を、真華が自由自在に制御出来れば、入って来た悪霊を、その圧力で押し出す事は可能となるわけだ。
気功で真華に気を注入しながら、その導引術を拓郎君は真華に伝授して行く。
だが真華は飲み込みが悪く、拓郎君はやきもきするばかりだ。
「マカロン、血を流すのではなく、気を意識によって動かすんだよ」
真華がうんざりとした声で答える。
「だから踏ん張る感じで、やっているじゃない。これじゃいけないの?」
拓郎君が諭す。
「それじゃ上せてしまうよ、マカロン!」




