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闘病履歴108

Mは狂ったように自分を嘲笑う。

絶望的な夢しか見ず、心が真っ黒くなって行き、又しても自殺願望が擡げて来た。





あれやこれやと自殺する方法を考えている内に、Mは堪らなく悲しくなり大粒の涙を流した。




何が悲しいのか分からないが、涙が止まらない。





その悲しみの原因を考えてみるが、Mには分からない。





ただ一つ己の分身と話をしたいと言うのが、心残りなのだが、それは悔いる事であり、悲しみではないとMは考え、狂ったように自分を嘲笑う。





悔いる事が悲しみだからこそ、涙がでるのだと思い、もう一度Mは自分を嘲笑った。




自分自身の分身にも相手にされない悲しみはひたすら救いようのない悲しみであり、涙をそそる。




だがこの悲しみは、そのまま己の分身と話をしたいという渇望へと繋がっているのならば、生き抜いて分身と話をすれば良いのだが、それはままならない。




絶望の内にその狂おしい渇望があるからこそ、死ぬ事を由としない希求があるのならば、何と意気地の無い事かと、Mは涙を拭い、もう一度狂ったように自分を嘲笑った。

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