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闘病履歴105
家に戻れという両親の言い付けを、真華は拒んだ。
真華の意識が戻った。
「良かった、真華ちゃん!」
「良かった、良かった!」
両親が真華の手を取って大喜びし、拓郎君もそれに倣って真華の手を握り締め、言った。
「お帰り、マカロン」
真華が力なく微笑み、言った。
「私又闘うからね」
その言葉を聞いて、父親が感極まり、万歳三唱するのを母親が制止した。
それを見てベッドに横たわっている真華が再び微笑み、言った。
「お父さん、お母さん、それに拓郎、どうも有り難う」
集中治療室から普通の病棟に移動した真華に両親が口を揃えて言う。
「真華ちゃん、退院したら家に帰って来なさい」
その言い付けを困惑しながら真華は拒んだ。
「大丈夫だよ。大学もあるしさ。私アパートに戻るから、心配しないで」




