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闘病履歴102

分かったよと、真華は言った。

ビルの屋上。





風が強く真華は低姿勢になった。





ぐにゃりと言った感じで空に穴が開き、真っ赤な満月が姿を現した。





その満月が遠吠えをすると、デスがその遠吠えに応える。





瞬時に真華は身体が透明になり、二個の耳だけが空中に浮かび、その遠吠えを聞いている。





そしてその耳が小刻みに震え出し、恐怖の叫び声を上げた。




デスの遠吠えが何度も上がり、近寄って来る。





震える耳が空中高く浮かんで行き、真っ赤な月から今度は拓郎君の声が聞こえて来た。





「マカロン、逃げているだけじゃ殺されてしまうんだ。戦うしかないんだよ、マカロン!」





両耳だけになった真華が赤い月に向かって頷き言った。





「分かったよ」

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