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闘病履歴101
昏睡状態の中、真華はデスと言う真っ黒い犬に追われる夢を見ている。
昏睡状態の中、真華は不条理な夢を見ている。
デスと言う名前の真っ黒い獰猛な犬に追われる悪夢だ。
デスを巻き、無人のオフィス街を真華は恐怖にかられながら歩いている。
デスの遠吠えが聞こえる。
物陰に隠れて、真華は身震いし、全身に鳥肌が立つのを感じる。
見付かったら食い殺されてしまう。
汗が出きって、身体全体が火のように熱く、疲れ切っている。
見上げると、空はどんよりと曇り、今にも雨が滴り落ちて来そうな案配だ。
乱れた呼吸を深呼吸して調えながら真華は考える。
真っ赤な目をして涎を垂らしながら牙を剥くデスの事を。
見付かる前に自殺した方が増しだと真華は考え、高いビルのエントランスに足を踏み入れ、投身自殺を図るべく階段を昇り始めた。
急な階段はきつく、直ぐに息が切れてしまう。
ビルの中にいて、聞こえる筈が無いのに、又してもデスの遠吠えが聞こえ、真華はうづくまり、両手で耳を塞いだ。




