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モスキート少女と狼少年  作者: 杏里
8/12

killer killer 2

キラーキラー?

私は首を傾げた。

「そりゃまた…何故だろうねぇ?」

ラルフは呑気に見えるが、笑みが若干引きつっている。

「あの………その、キラーキラーって?」

多分凄い人なんだろうな…

「裏の世界じゃ最強の殺し屋殺しだよぉ」

へぇ、そんなに凄いんだぁ…

「って、え!?そんな人が私を狙ってるの!?」

それって結構ヤバいんじゃ…

「まあまあ、狙ってると決まった訳じゃ…」

ラルフが私を窘めようとする。

「殺人鬼を殺しまくる人が探しといて殺さないっていうのも可笑しいから忠告してんだ!」

まあ…殺さないのに探して意味なんかないし。

「二人はkiller killerに会ったことは?」

「…一度だけ。殺されかけたから、命からがら逃げてっただけ」

肯定か…

「黒いフードで顔は分からなかった。性別、年齢、素顔。その全てが謎なんだ」

黒いフード、ねえ…

そう聞くだけで不気味だ。

「んー…私、まだそんなに有名って訳じゃないよね?」

ちょっと確認。まあ、ないと思うが。

「うん、まだ一回しか仕事してないし」

だよなぁ…

もしかして知り合い、とか?

いや、それは健太郎だけでいい。

「うーん…」

まだ殺し屋の事情なんか全くと言っていい程知らない私が考えたところで、閃く訳がない。

ん?

私はちょっと違和感を覚えた。

探してる、って言葉。

殺そうとしているなら、何故素直にそうと言わないのか。

ラルフと悠斗は違和感を感じていないようだ。

『killer killerがモスキートを探している』

ではなく、

『killer killerがモスキートを狙っている』

似ているようで全然違う意味になる。

前者なら、どういう目的なのかは分からない。

必ずしも殺しにくる、とは限らなくなる。

後者なら、目的ははっきりする。

必ずしも殺しにくる、もしくは殺さなくても捕らえる、という意味にはなるだろう。

少し曖昧な表現にしたのは理由が?

「────ちゃん、ふーちゃん!」

私を懸命に呼ぶ声に、ハッとする。

「だいじょぶ?」

私は頷くのが精一杯だった。

思考に夢中だったらしい。

「考え事?」

私はその質問にも頷いた。

「変だな、と思って」

漸く言葉を発する。

「狙ってるなら、狙ってるとはっきり言えばいいのに」

ゆっくりと、噛んで含めるように考えを話す。

「素直にそうと言わないのは、何故なんだろう」

最後は誰に問うでもなく告げた。

「でも、かの有名なkiller killerだ。狙ってると考えた方が自然だよぉ」

確かにそうかも、しれないけど。

でも。私は。

違うと思う。理由なんて存在しない。ただの直感。

「ふむ…一理あるかもな」

ラルフとは反対に、悠斗は私の直感をそう評価した。

「今までkiller killerが誰かを狙ってるって噂は流れたことがあった。その時、大抵は『狙ってる』という表現なんだ。遠回しな表現は今回が初めて」

悠斗は顎に手を当て、事実を述べた。

「でも、どして?何で探してるのぉ?」

問題はそこだ。

「また知り合いじゃないよね?」

ラルフは苦笑いで私と同じような考えを示した。

「そうじゃないことを願いたい…」

完全否定出来ないのが悲しい。

もう勘弁してくれ。

それ以外の可能性で思い付くのは…私がモスキートのような存在であるということ。

真っ赤な血を啜る、血液中毒(ブラッドジャンキー)

もしそれが、killer killerにとって必要なら。それは考えられる。

否、その可能性は極めて少ないか。

何故必要なのか。肝心な部分が分からないからだ。

私自身は知らなくても、相手が私を知っている可能性。

流石にすれ違う人、とまではいかないけど会った人なら大抵覚えている。

その場合は知り合いとなるので、この可能性も低い。

やはり、風梨という存在ではなく、モスキートという存在が目的なのだろうか。

しかし、それでも疑問が残る。

killer killerが駆け出し新人の殺し屋の名前まで覚えているか?

モスキート、という存在を知っているだけで謎。

また、知っていたとしても何故、私のような新人を探す?

「また思考中?」

ラルフは私にそう聞いた。

「ええ、まあ…結果的には全て分からない」

謎が謎呼ぶkiller killer。

不謹慎だが、少し興味が湧いた。

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