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モスキート少女と狼少年  作者: 杏里
11/12

killer killer 5

ギィィィン。

金属音。

ハァ、ハァ。

息遣い。

ラルフに目隠しされている今、私の感覚を支配するのはこの2つだった。

偶に響く銃声は、私に不安を募らせた。

「ふーちゃん、心配しないで」

ラルフの声がまたもや耳元から…ああ、もう!!

「チッ、今日は引いてやろう」

killer killerの声。

それと同時に目を解放される。

killer killerはいなかった。

でも、悠人が肩で息をしながら立っていた。

「悠人っ!」

駆け寄ると、少し傷があるのが分かった。

「傷が…」

取り乱す私を安心させるように、笑う。

「かすり傷だ」

結構血は出ていたが、とりあえず命に別状ないらしいので、安心。

でも、治療はしなきゃ。

★♢★♢★♢★♢

「純血姫って何?」

翌日、包帯だらけの悠人に訊いた。

ラルフは眠っている。

そりゃもう、ぐーすかと気持ち良さそうに。

「…俺も詳しくは知らないよ?」

返ってくるのは、そんな素っ気ない言葉。

「ラルフは知ってるの?」

「さあ?でも、俺よりは詳しいんじゃないか?」

ソファで寝息を立てているラルフを見やる。

さらりと頬に掛かっている銀色の髪。

太陽を知らないかのように白い肌。

今は閉じられた、紅い目。

彼は不思議だ。

不思議な魅力がある。

血に染まった姿でさえ、美しいと惹き寄せられてしまう。

「そう、なんだ…」

考えてみれば、ラルフのことを何も知らない。

何を思って、殺し屋になったの?

どうして、私を気にかけるの?

まだ今は謎だけど、もっともっと知りたいな。

「んー…」

ぱちり、と目を開いた。

「ふぁー…眠い」

おい、今の今まで寝てたでしょうが。

思わず苦笑。

「ねえ、純血姫って何?」

ぴたりと止まって真剣な顔をするラルフ。

「ふーちゃんは知らなくていい」

ナニソレ。

「どういうこと?」

「そのまんまだけど」

私のことじゃないの?

純血姫って、一体何?

誰か、教えて。

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