10/12
killer killer4
一触即発のムード。
誰かが少しでも動けば、いきなり始まりかねない。
私には、ただじっとしていることしか出来なかった。
息が詰まりそうな沈黙。
それを破ったのは、意外にもkiller killerだった。
「純血姫。貴女は、その狼人間が好きなのですか?」
「はっ?」
爆弾発言。
思わず声を出してしまった。
耳元で、ラルフの声がする。
「気にしなくていいよ、ふーちゃん」
だからそんな耳元で囁かれたら、すっごくドキドキするんだよ!!
行き場の無い理不尽な怒りを心に仕舞い込み、私は息を吸い込む。
「貴方には、関係ない」
killer killerとは、一体何者なんだ?
「関係ならあります。姫は俺のものですから」
何を言っているの、この人…
「ふーちゃんはお前の所有物じゃない」
ビクリ、と肩が強張る。
ラルフは、途轍もなく怒り狂っている!!
誰の為に?────答えは簡単、私の為だ。
正直、生きた心地がしない。
「御退場願おうか。killer killer」
悠斗が声を発した。
こちらもラルフ程ではないが、怒っている。
漫画とかなら、“私の為に争わないで”とか何とか言うんだろう。
しかしここは現実。
さらにこの緊迫感だ。言えるような空気じゃない。
「フム、力づくで奪うしかないか」
さあ、始まる───────




