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第四十一話 ミャウちゃんの能力チェック

 ムカイ達の能力値もある程度判ったところで、次はマンサ含む面々がステータスなどを見せてくれた。


 マンサは既に話だけは出ていたが、職業は二次職のナイト。レベルはミャウと同じで16である。

 

 本人は白馬の騎士に相応しいジョブだと、髪を掻き上げたり、瞳を煌めかせたりと妙に格好をつける(似合ってもないのに)ようにしながら自慢していた。


 しかし実際に白馬とやらに乗って戦うというわけではないようで、攻守ともにバランスがとれているが特にこれといった特徴もないジョブだそうだ。


 因みに戦闘スタイルは片手剣に盾とこれまた平凡なスタイルだが、以前ミャウに攻撃力について指摘された為、武器は良い物に変えたようだ。


 攻撃速度を上げたり、盾の耐久値を上げたりといった使い勝手の良いスキルが多いのも特徴といえるだろう。


 続いてマゾンはミャウ達のパーティでいうところのミルク的な位置づけといえる。つまり戦士だ。ジョブはウォーリアでレベルは17。


 長い柄の先に槍が付き、その手前、ヘッドの左右にそれぞれ斧部と鈎部を備え付けたハルバートと呼ばれる武器を扱う。


 以前マンサは自分より少しだけ攻撃力が高いと言っていたが実際はマゾンのほうが相当に高いようだ。


 またその性癖からも判るようにかなり打たれ強く、その上で戦闘時には重装鎧を装着し戦いに挑むため、メンバーの中では切り込み隊長兼盾役として活躍してるようだ。


 スキルも攻撃面に特化したものが多い。

 しかし動きが鈍重な点が欠点でもあるとのことだ。


 マンサ達のメンバーの中では紅一点であるプリキアはサモナーのジョブを有しておりレベルは15。

 サモナーとは魔法陣を用いて、契約した召喚獣を呼び出し使役出来るジョブである。

 

 因みにサモナーは召喚した術者自身が死亡したり、意識が途切れた場合(気絶や眠り状態)、また著しく魔力が低くなった場合などは召喚獣も去ってしまう為、自分から率先して戦うことはない。


 スキルもサモナー自身は召喚を使えるだけであり、戦闘に関しては召喚獣に完全に依存する形となる。


 とはいえミャウの話では、元々サモナーは貴重なジョブで、あまり素質をもったものはいないらしい。

 その意味ではかなり貴重な戦力ともいえるだろう。


 最後に紹介されたのはウンジュ・ウンシルの双子で、揃ってレベルは20。

 その彼等のジョブを聞いた時はミャウも思わず目を丸くさせた。初めて耳にするジョブだったからである。


 二人のジョブは揃ってルーンダンサー。

 踊りながらルーンと呼ばれる印を刻み、奇跡の力を行使することのできる職である。


 そしてルーンというのはヒカルが使うような魔法とは位置づけが異なり、その力を使いこなすジョブも少ないという。


 その上で、踊りながらその力を行使できる二人はまさに希有な存在ともいえた。


 ちなみに彼等は基本的には補助としての役割も大きいが、剣舞というスキルを使って戦闘をすることも出来るようである。

 その為二人共、腰の左右に一本づつ曲刀を吊るしている。


 いざ自分たちも剣を振るう際には、両手にこの曲刀を持ち、舞うように戦うらしい。


「マンサのパーティとは初めて顔を合わせたけど、結構特徴的よね」


「イエスグッド! マイハニー、ミーを含めてオールパーフェクトなパーティなのSA!」


「いや、まぁあんたはとにかく普通だけどね。見た目とかそんなんなのに」


 中々に酷い言い草である。


「の、ノーグッド……」


 そして言われたマンサは心底がっかりしたように肩を落としていた。

 そんな彼を励ますようにマゾンが背中を叩く。


「さて。こっちの紹介もしないとね――」

 そう言ったあと、ミャウがヒカルに目を向ける。


「そういえばヒカルの能力って私もまだ知らなかったのよね。ちょっとみせてよ」


 ミャウがそう告げると、彼は得意そうに鼻を擦る。


「ふふん。僕の超絶能力をみたら腰を抜かすかもよ」


「いいから早く」

「とっとと見せろよグズ」

「日本語で頼むぞい」


 ミャウ、ミルク、ゼンカイの三人が順に口にした。


「くっ、君たちちょっと口が悪すぎだぞ! 」


 ヒカルはそう文句をいいながらも、しかしこんなやり方があったなんて知らなかったよ、とも呟く。


 ヒカルはステータスが日本語でもみれることを、マンサ達の能力をみるときに初めて聞き知ったのだ。


「トリッパーのくせに遅れとるのう」


 呆れた表情を浮かべゼンカイが言うが、別に流行っているわけではなく、タンショウも右手を左右に振り自分も知らなかった旨を表現する。


「まぁじゃあとりあえず【ステータス(日本語)】!」

 ヒカルが唱えることでステータス値が出現し、更に続けてイクイップを唱える事で装備品も明らかになる。


名前:ウチヤマ ヒカル

レベル:30

性別 :雄

年齢 :32 

職業 :ウオーロック

生命力:100%

魔力 :450% 

経験値:10% 

状態 :良好


力  :デブのくせに貧弱 

体力 :デブだから無い 

素早さ:デブだから鈍くさい 

器用さ:デブのくせにフィギュアが作れる 

知力 :デブのくせに神がかり的に賢い(+260%) 

信仰 :デブのくせに脂肪と同じように信仰が厚い(+30%)  

運  :デブのくせにそこそこ高い(+15%) 愛しさ:デブのくせに酷い

切なさ:デブのくせにというかデブだから鈍感

心強さ:デブのくせに投げ出さないこと


装備品

武器・盾

右手:堂帝の杖

左手:


防具

頭 :夢精の帽子

胴体:ホーケープ

腕 :ミコスリハンド

脚 :爽臈そうろうの靴

アクセサリー1:フデオ・ロシのマント

アクセサリー2:チェリーリング


総合攻撃力:27

総合防御力:126


「デブのくせにってなんだよ!」

 即効でヒカルが突っ込んだ。


「デブだからしょうがないじゃん」

 ミルクがあっさり言い放つ。

 するとヒカルがキッ! と睨みつけるが、直様睨み返され逆に目を逸らした。


「てか何これ? チェリーリング以外は初めてみるのばかりなんだけど」


「ふふん。当然さ。チェリーリング以外は貴重なユニークだからね」


 大きな腹を張り、ヒカルが得意がる。


「うわぁ~流石ウォーロックですね。使える魔法が沢山。それに魔力も凄いです!」

 プリキアが目をキラキラさせて彼のステータスとスキルを見上げていた。


 因みにヒカルはステータス等と一緒にスキルリストも出現させているが、あまりに覚えてる量が膨大すぎるので割愛させてもらう。


「よ、良かったら僕がプリキアちゃんにいろいろと教えて上げてもいいんだよ」

「一体何を教えるつもりなのよ」


 気味の悪いニヤケ顔でプリミアへ近づくヒカルに、ミャウがまったをかけた。

 

「ぼ、僕は純粋に彼女に魔法を教えて上げようとおもっただけで!」


「あんた普通に顔が危ないのよ。本当スガモさんの言ったとおりね」


 ミャウが腕を組み軽蔑の瞳をヒカルに向ける。

 

「全くじゃよ。男子たるもの常に紳士たれじゃ」

「いやお爺ちゃんが一番節操ないからね」

 言下にミャウが突っ込んだ。

 しかしゼンカイは基本過去を振り返らない。

 そして未来も見据えない。

 今この一瞬を全力でいきているのだ。





 こうして軽い雑談を交えながらも、ミャウ、ミルク、タンショウはステータスや装備を彼等に見せていった。


 マンサ達の、特にプリキアは皆の能力やジョブに感嘆の声が絶えなかった。

 マンサの仲間達も中々個性的な面々が多いが、ミャウ達のパーティもそれに負けず劣らずといった感じなのである。


 そして最後に見せたゼンカイの能力にも皆は驚きを見せていた。

 レベルこそ低いのだが、入れ歯を持った時の攻撃力256は既にミャウをも凌駕していた。


 と同時にやはり注目を浴びたのはそのジョブである。

 何せファンガーというジョブは誰もみた事がなく、一次職の段階で既にレア度が高いともいえた。


「ねぇお爺ちゃんスキルもちょっと見せてみてよ」


 ミャウに言われ、ゼンカイは教わったとおりスキルリストを唱え空中に出現させる。


 その中にはこれまでゼンカイが培ってきた技の数々が並ぶ。

 そしてその中に一つ見たことのないスキルが混じっていた。


「入れ歯100%?」


 頭に疑問符が浮かんだようにミャウが呟いた。

 皆も同じような顔をしている、

 一体どんな力か想像も出来ないといった感じである。


 ただ、スキルには一応説明も書かれていた。


・入れ歯100%

入れ歯の力を最大限引き出す。


「入れ歯の力を引き出すねぇ……」


 とは言ってもやはりよく判らないスキルである。


 そんな中、ふとゼンカイが真剣な表情で口を開いた。


「いちごじゃないんじゃのう……」


「…………いや、何いってるの?」


 ミャウの突っ込みは恐ろしく冷え込んでいたという――。

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