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老後転生~異世界でわしが最強なのじゃ!~  作者: 空地 大乃
第四章 アルカトライズ編
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第一二三話 借金

「わ、わしが関係してるとはどう言うことじゃ!」


 ゼンカイがビシリ! とエビスに指を突きつけ叫びあげる。

 その近くでは他の皆もなんで? という顔をみせている。


「ふん! 随分と呑気なじじぃだな! だったらこれをみてみな」

 

 そう言ってエビスがバッグの中から一枚の紙を取り出した。


「そ、その紙がなんだと言うのじゃ!」


 わけがわからないとゼンカイが吠え上げるが。


「待ってお爺ちゃん! あれって……え? 借用、書?」


「くっくっく。さすが獣人間。目がいいねぇ」


 その言葉にミャウが少しムッとした表情になる。


「そう! これは紛れも無くそのジジィの借用書だ! この私からお金を借りたというな!」


 声高らかに言い放つエビス。するとミャウがゼンカイを振り返り。


「ど、どういう事よお爺ちゃん! あの男から借金してたの!」


 そう問い詰める。


「し、知らないのじゃ! ま、全く覚えが無いのじゃ!」


 両手をパタパタとふりながら、ゼンカイが必死に訴える。


「あたしはゼンカイ様を信じますわ! きっとあの男がでたらめを言ってるに違いありませんわ!」


 いつだってミルクはゼンカイの味方なのだ。


「ふん、知らないとはよく言ったものだな。だけど、あいつの顔を見てもそう言ってられるかな? おい! ブラック! 隠れてないで出てこい!」

 

 エビスがそう叫ぶと、部屋の隅にあった柱の影から水色の髪をした青年が姿を現した。彼はここに呼び出された者と少し違い、鎧ではなく黒スーツに身を包まれている。


「あ? わかっちゃいました?」


 ブラックはちょっと照れくさそうに言葉を返す。


「ふん。お前はもともと戦闘要員じゃないからな。まぁいいやぁ。さぁジジィ! そいつの顔に何か思うところはないか?」


 そう言われゼンカイがブラックという青年の顔をマジマジと見つめる。


「チャオ。久しぶりお爺ちゃん」


 ニコリと微笑み親しげに話してくるブラック。だがゼンカイは記憶にないのか首を傾げてしまった。


「なんか偉く軽そうな男ね」


「ナヨっとしてタイプじゃねぇな」


「ブ、ブルームさんの方が、す、すて――」


 三人の女性が率直な感想を述べた。顔はいい方だがウケは良くない。


「と言うか! わしはお前など知らんのじゃ!」


 ビシッと指を突きつけゼンカイが言う。

 だがブラックは、あ~ひっどいなぁ、と軽い口調で述べ。


「僕とお爺ちゃんの仲で折角少し安くして上げたのに忘れちゃった? ど・れ・い、とハーレムコースのこと?」


 青年がニコリと白い歯を覗かせる。

 するとゼンカイがハッ! とした表情にかわり。


「そ、そうじゃ! 思い出したのじゃ! 確かにわしはこの男からお金を借りたのじゃ~~!」


 そうはっきり断言した。


「思い出してくれてよかった~」


 青年ブラックが嬉しそうに返す。

 するとゼンカイを囲む二つの影。


「お、おろ?」


「お爺ちゃん? 奴隷って何?」

「ゼンカイ様。あたくしというものがありながら、ハーレム、とは?」


 ゼンカイここに来て、色々な意味でピンチである。


「ち、違うのじゃ! つい魔が差したのじゃ! そ、それにあの時はまだミルクちゃんとも出会ってないのじゃ!」


 ゼンカイ必死に弁解しようとする。


「え? 出会ってない?」


「そうなのじゃ! ミルクちゃんみたいな巨乳の美女に先にあっていればこんな事しなかったのじゃ~」


「まぁ……」


 ポッと頬を紅潮させるミルク。


「ちょ! なにあっさり! どれだけチョロいのよ! てかそれで! 一体いくら借りたの!」


 え、え~と確かのう、と考えこむゼンカイであったが。


「ここには24,000PTとあるねぇ。因みに契約書によって、1PTは10エンとして扱われるから……元金は240,000エンだねぇ」


 エビスが楽しそうに笑いながら答える。


「に、240,000エーーーーーーン!」


 ミャウが素っ頓狂な声を上げ、両目を大きく見開いた。


「お爺ちゃん! 一体何考えてるのよ! 冒険者がそれだけ稼ぐのにどれだけ苦労すると思ってるの!」


 ミャウはゼンカイの首を掴みブンブンと前後に振る。


「く、苦しいのじゃミャウちゃん! ごめんなのじゃ! 許してなのじゃ!」


「お、おいミャウ! ゼンカイ様もこう言ってるんだ! もう許してあげなよ」


 ミルクはゼンカイに大甘である。


「クッ! もう! で! 240,000エンはあんたに返せばいいわけ!?」


 ミャウが少しキレ気味にブラックに問うが。


「いやいや。僕はエビス様の代わりに貸しているだけだからね。返すならエビス様に。でも元金だけというのは甘いかな? ちゃんと利息も、ね」


 利息? とミャウが目を瞬かせ。


「ちょっとお爺ちゃん。一体どんな契約をしたのよ?」


 再度ミャウがゼンカイに確認を取った。


「え、え~と確かのう。2,400PT借りた場合は10日で240PTが何とか……」


 はぁ~? ミャウが心底呆れたような口調でいい。


「そ、それってトイチじゃない! 完全に違法よそんなの!」


 語気を強め、キッとエビスを睨めつける。


「違法? ふんこの私の前でそんな言い訳が通用するわけがないだろう? それに、ジジィお前はそのブラックから黒いカードを受け取っているよねぇ?」


 エビスの問いかけに、あ! と何かを思い出したようにゼンカイが真っ黒に染まったカードを取り出し、これじゃ! となぜか得意気にみせた。


「な、何この不気味なカード……」


「ぐふふ。これこそが私の最後の力。キャッシング(貸付)さぁ。この借用書を持つものにカードを持つ者は抵抗できない」


 その言葉に一行は怪訝な表情を見せた。


「フフッ。どうやら判ってないみたいだね。まぁいいこれから証明してあげるよ。と、あぁそうだ、君はこれがトイチだと言ったけどそれは大きな間違いだ」


「……はぁ? 何言ってるのあんた。さっきの話を聞く分には間違いなく10日で1割って……」


「ククッ! 確かに元はそうかもしれないけどねぇ。私の力は修正や二重書きは無効だけど、追記や書き足しは可能なのさ。つまり――」


 そう言ってエビスは再び紙を皆に見えるよう突き出し、そしてある一箇所を指さす。

 それをミャウがジッと見つめ、そして、はぁ!? と声を荒らげた。


「と、10日で1万割って、何よこれぇええぇえ!」


 信じられないといった表情をミャウが見せ、その姿をみたエビスがグフフッ、と不気味に忍び笑う。


「何を言おうとそのジジィの利息は10日で1万割。そして更に――」


 エビスは突如逆の手にペンを現出させスラスラと何かを紙に書き込んだ。


「はい出来上がりっと。借用書にしっかり連帯保証人として君たちの名を書き込ませて貰ったよ」


 そう言って再び皆に向けて借用書を見せる。そこには確かに連帯保証人として、ミャウ・ミャウ、カルア・ミルク、オオイ・ヨイの三人の名前が刻まれていた。


「なんせそのジジィだけで返せる額じゃないからねぇ。1億は軽く超えてるし」


 そう言ってエビスが醜悪な笑みを浮かべた――。

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