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ポポポな遭遇

 俺の名は上矢翔琉。ひながらに直すと【かみやかける】。高校2年生だ。

 これから俺が話すのは恐怖と不思議な出来事だ。

 信じてもらえるかどうかは俺にもわからない。

 それだけの事があったのだから・・・。 

 




 とある夏の事、俺は田舎町を歩いていた。

 お盆というのもあって家族と一緒に田舎へと帰省したのだ。

 田舎に帰ればおじいちゃんたちが出迎えてくれる。

 美味いもんたくさん食ってたくさん遊べる事が楽しかった。

 だから今年もそんな夏になれると思っていた。

 だけど・・・こんな事になっちまうだなんて思ってもみなかった。

 当然だ。そうなるとはありえない事だったから。


 実家に帰省した俺は何もする事がなくて暇だった。朝早くに我が家を出たというのもあって実家に着いた時間帯がお昼を回ったばっかりだから時間には余裕があった。

 

 その時間を利用して、何も変わらないであろう田舎町を歩いてみる事にした。

 歩くと懐かしい記憶が次々に甦ってくる。

 ガキだった頃、よくやんちゃしてたな。やんちゃすぎてよく親や近所の大人たちに怒られたもんだ。

 だが、こうして思い出してみるといい思い出だ。

 俺は本当にこの田舎が大好きだったんだな、と改めて思い知らされる。


 こうして歩いているとふわっとそよ風が吹いた。

 風が吹いた方角に扉がぽつんとあって、周りには延々とつづく長い壁があった。

 どうも薄気味悪く感じる。その扉の向こうに何かあるんじゃないかと思えてくる。

 変に感じるのはずっと使われていないからか、やけにボロボロになっていて汚れていたからだ。さらに扉をよく目で凝らしてみるとそこには札束程度の大きさの紙が貼ってあるのが見えた。

 きっと好奇心が沸いたのだろう、近づいてみる事にした。普通ならこんなに不気味な所を近づいたりしないはずだが、俺は違った。こう見えてもオカルトとか都市伝説などが大好きだったから。

 田舎へ行く時なんて暇つぶしになるだろうと、そういった書籍を何冊も持っていったもんだ。

 さて、その貼ってある札束のような紙を見やる。それは所々、黒焦げになっていた。おかげで文字らしきものが書かれてあるが、内容がわからない。

 この時、俺は「どうせ立ち入り禁止の注意書きだろう」としか思えなくてそれを破くように取ってしまったのだ。もうこの扉の向こうに何があるのかという気持ちの方がずっと勝っていたからだ。

 古ぼけた扉を力いっぱい開ける。古いせいもあったのか、力を出さないとどうも動かないようだ。ちょっと苦労して扉を開けるとそこには・・・。

 ただ、道があった。それだけだった。小さな道が一つあってその周りを綺麗な木々に囲まれていた形だ。よく俺が散歩していた道とほとんど大差ない。そんな風景を見て、興味が薄れてしまった。

「なんだ、何もねーじゃん」

 ため息を吐いて俺はその場を後にしようと踵を返した・・・その時だった

 何やら視線を感じ、「ぽぽっ」というような声とも音とも聞こえる何かを聞いた。はっとなって振り向く。

 だが、そこには一本道があるだけで、何もない。

 そんなはずはない。何かが聞こえたんだ。幻聴ではないだ。

 俺は足を前に出すと「パキッ」という音が鳴った。どうやら枝を踏んでしまったようだ。すると木の上から「ポポポッ!!」と鳴きながらハトが飛び去っていくのが見えた。

 「なんだ、ハトかよ。驚かせやがって」

 視線を感じたのもきっとハトが俺の事を見ていたからだろう。正体もわかった所で俺はその場から立ち去った。

 

 だいぶ時間も経って、俺は実家へ戻ろうと、歩いていると後ろから「ちょっと君。すまんが道を教えてくれないか?」と声を掛けられた。

 振り向くとそこにいたのは20代後半で短髪、黒いスーツにサングラスを掛けた男性だった。

「はぁ、道・・・?」

「うむ、そうなんだ。どうしても放っておけない事があってな。そこへ行こうとしたのはいいんだが、ここへ来るのは今日が初めてでね。わからなくなったんだ。道、教えてくれるかい?」

「道っつっても・・・どこに行く気っすか?」

「ああ、そうだったな。目的地を言わないとわからんよな。失敬、失敬」

 男は苦笑いをして髪をくしゃくしゃに掻いた。

 どうも気乗りがしないな。いい所だが、特別に観光名所らしき所はほとんどない平凡な田舎だというのに。まぁ、自然の素晴らしさはどこへ行っても群を抜いているから、それ目当てか。だが、男の服装などを見る限り、観光目的とも思えないが。

 そう考えても拉致が開かない。俺は「で、どこへ行きたいんですか?」と尋ねた。

「うむ、ここなんだよな」と男はそう言うとカバンから地図を取り出して広げた。

 見ると確かにここの田舎の地図だった。そこに赤いペンで×印が書かれてあった。

 この場所は・・・1時間前に行った鳥居のようなものがあった所じゃないか。

 そこには何もなかったはずだが。もしかして関係者か何かだろうか。

 俺はその男に道を教えると、男は「そう行くのか。どうもありがとう。おかげで助かったよ。田舎の人は親切でいいな。ここが都会だったら道を教えてくれる人を探す事でさえ一苦労だったよ」と微笑んだ。サングラスをしているせいもあって、ちょっと怖いな・・・。

「君、ここの子かな?」

「住んではいませんけど、ここが俺の故郷です。我が家はここじゃないっす」

「すると、お盆帰りか。いい所へ帰ってくるな。でも・・・」

 男は少し渋い顔をする。俺、何かまずい事でも言ったかな?

「いや、気にしないでくれたまえ。そうだ、道を教えたついでにいい事を教えてあげよう。夜は出歩かない方がいい。見つかったら悲鳴だけではすまされない事になるからな。気を付けるようにね」

 男はニッと笑う。

 なんだよ、夜は出歩くなって。それじゃあ、まるでこれから何かが始まるみたいじゃないか。

 もしかしてこの男って不審者か?

 だとすればとんでもない人に出遭っちまったのは俺の方かもしれない。

 ここは刺激を与えないようにして家に戻らないと。

「ご、ご忠告ありがとっす。それじゃあ、俺はこれで・・・じゃっ、また!!」

 俺はぎこちない動きで男から離れていった。


 そんでもって実家。あの男の事は家族にも知らせたし、近所や警察にも連絡しておくと言ってくれたし大丈夫だろう。

 俺は実家のご馳走をたらふく食うと、ソファーの上に寝転がった。

 あの時の事は忘れたい所だが・・・急に親父がタバコを買ってきてくれって言われた。

 男が夜にどうだらこうだらと言ってた事を伝えたのに、わかってくれてないのかよ。抗議はしたが結局、行かされる事になっちまった。ちくしょう・・・。


 ここは田舎なものだからちょっと遠くまで歩かなければコンビニまで歩かなくてはならない。

 時間にするとコンビニまでに15分は掛かるだろうか。まぁ、確認した事がないんだけどな。

 とはいえ、さすが田舎というべきか、街灯がほとんどないのだ。明らかに真っ暗だ。何かが出ても不思議じゃない事を物語っているほどの説得力がある暗さだ。闇の世界か・・・。オカルトなどは好きだが、こうして歩くと正直、不気味だ。ゾッとはしないがスッキリとは感じない。もしも、ここで事故ったりでもしたら助けてくれる人が通る可能性だって低いと思う。何度も田舎へ行ってるからわかる。夜になれば車が通った事がほとんどなかったからだ。たまたまなだけがもしれないがそれでもだ。


 もうちょっとでコンビニへ着くだろう距離まで来た時だった。

 ふと視線を感じた。

 この感じ、前にもあったような・・・。そうだ、あの古ぼけた扉の所へ行った時だ。

 でも、あれはハトの視線だったはずだ・・・。それで間違いないはずだ。だって「ボボボッ・・・」という鳴き声が聞こえ・・・えっ?

 いや、何か変だ。何かおかしい。この声、どこか機械音のようにも思える。それに俺があの時に聞こえた鳴き声は・・・、確か・・・。

 いや、やめよう。変な事を考えるのは。まずコンビニまで行こう。そこで少し時間を潰せばきっと何とかなるはずだ。俺はそう自分に言い聞かせ、歩みを速めた。


 ・・・やっぱりおかしい。

 もういい加減にコンビニに着いてもいい頃なのに、コンビニが一向に見えて来ない。

「まさか・・・。迷った?」

 そんなはずはない。親父たちと何度も着ているのだからわかる。暗い夜だからというのもあるが、何度も来た道とまったく変わってないはずだ。

 それに・・・。

 背後から・・・。

「ボボボッ・・・。ボボッ・・・」という声がまた聞こえてきたから・・・。

 しかもさっきよりも耳が近い距離で・・・。

 明らかにハトの声じゃない。

 【何か】の声・・・、いや、俺にならわかる。都市伝説が大好きな俺になら!

 この声の主・・・。そう、「八尺様」の声だ!

 あれは作り話ではなかったのか?マジかよ、本当にいたんだ!

 俺から恐怖はすっかりと消えていた。思わず足を止め、振り向こうとした瞬間・・・。



「 振 り 向 く な っ ! ! 」



 その声と共に俺はガシッと誰かに捕まれて引きずり込まれてしまった。

 ここは木か?どうも道の木の後ろに隠れているようだ。

「まったく、振り向く奴があるか。もう少しでやばい事になる所だったぞ」と声が。

 この声、どこかで聞いたぞ・・・。ってこの声は!?

「あの時のおっさ・・・。モゴッ!?」

「静かにしろ・・・ばれるだろうが」

 口を手で塞がれた。あの時、道を尋ねてきた怪しすぎる男に。

 ばれるってあの八尺様に?俺はそっと木からこっそりと少しだけ覗いてみた。

 そこには・・・。


 まず見えたのは暗くて曖昧ではあるが、黒い喪服に黒い帽子。ガリガリに痩せ細った体だった。正しく八尺様だ。これだけの説明ならまだ人間にも思う人もいるだろうが、はっきり言って人間じゃない。

 だって、明らかに2メートルは超えているのだから。

 八尺様は名前通りに八尺もある。一尺が確かだいたい30㎝くらいだから・・・。つまり240cm以上があるという事になる。人間の大きさじゃない。かと言ってTVでたまに2メートルを超えるような人を紹介するような事があるが。でも、それでもあれは本当の人間なのかって思えてならない有り様だ。


「でも、変だな・・・。もし、俺が知ってる八尺様なら・・・。俺好みの女性になるはずだよな?」

「いい所に気付いたな。私もそう思っていた所だ。あれが八尺様であるなら、あんな姿にはなるはずがない。今回が初めて見るけどな」

「今回が初めてって・・・。というかおっさん、見えるの?八尺様は魅入った人にしか見えないはずじゃ・・・」

「特別に教えてやろう。私はね、そういったモノたちが見えるのだよ。だから、そういう仕事をしている。奴が見えるのはそういう訓練を受けたからさ。相手が見えなければどうしようもないからな」

 なるほど、つまりこの男は霊能者がそれに近い人だという事か。

「そして君と同じモノの形が私にも同じように見えてるというわけだ。さて、ここで質問だ。何故、あれが八尺様とは違うような違和感を覚えたのか?」

「そりゃあ、八尺様は魅入った人間の好みの姿になるって事だろ?八尺様に遭遇した人間は一人一人、姿が違って見えるから・・・。だよな?」

「その通り。正解だ。そうする理由もずばり簡単だ。相手を安心させるためさ。チョウチンアンコウが触手を疑似餌のような役割を果して、獲物をおびき出して油断させる。そうして近づいた所を一気に喰らうようにね。だとすればだよ、あの八尺様も君好みの姿になる必要があるはずではないか。だが、あれには魅力も何一つ感じて来ない。近寄らないでくださいって言ってるようなもんだ。不思議だ、実に不思議だ。まさかと思うがあれが理想の女ではなかろうな?」

「んなわけねーだろ。俺の好みはもっとこぅ・・・。って何を言わせるですか!?」

「そこまでは聞いてないんだがね。というかちょっと声が大きいぞ。ボリューム下げなさい。見つかるだろうに」

「す、すんません・・・。」

 何故か謝る俺。納得はできない。納得はできないが、それ以上に納得がいかないのはあの八尺様の姿が何故、あんな姿なのか。何故、狙いは俺なのかって事だ。

 まさかあれが正体ってわけでもないんだろう?だったらガッカリな気もするが・・・。でも、いたのがわかっただけでもラッキーか。俺って八尺様に凄く会ってみたいって思ってたんだ。

 そう思っていた矢先の事だ。奴がくるっとこちらの方へ向いてきたのだ。

「やばい・・・。気付かれたか。こっちへ来るぞ」

「マジだ・・・。どうしよう、おっさん」

「私はおっさんじゃないんだがね。というかまずはここから逃げよう。こうなってしまっては仕方ない。私が君を守ろう。代金は・・・。めっちゃ悔しいがいらん!!あっ、でも。場合によっては要求も悪くないね」

 あっ、この人・・・。今、さらっと本音を言いやがりましたね。

 まぁ、この際どうでもいいか。今はこの人以外に頼る人がいないのだからな。

「んで、どうやって逃げるんすか?」

「ひとまず、音を立てずに木に隠れながら移動するしかない。それとこれを持っていろ」

と、渡されたのは一枚のお札だった。

「これは・・・?」

「気配を消して魔から逃げる事のできるお札だよ」

「そんなお札があるんすか?お札って普通、魔除けですよね?」

「それは世間の一般論だ。詳しくは言えないがあらゆる状況に対応できるように作られたお札があるのさ。ただし、これを作る事のできる職人は普通のお札を作る職人に比べると極端に少ないがね。それに大物クラスの怪異が相手なら、短時間しか効果を出せないという欠点もある。八尺様ならその一例になる事だろう。さっ、長話してる暇はない。行くぞ、ついてきたまえ」

「はい」

 言われるがままについていく。本当に大丈夫なのか心配ではあるが・・・。俺はお札をそっと握りしめ、男の後をついて行った。


「そういえば名前を聞いてなかったね。お前、名前は?」

「俺?俺は上矢翔琉ですよ」

「上矢翔琉か、いい名だ。私は阿藤という者だ。以後、お見知りおきを」

 と、男はニッと笑う。

 こんな状況だというのに緊張感のない男だ。まぁ、俺もちょっとだけそうかもしれないな。怪異と遭遇する事になるのはちょっと嬉しい。

 俺は八尺様の事が気になり、振り向く。

 そこには何もいなかった。気配も感じない。諦めたのだろうか。いや、八尺様は一度、狙った獲物は自分のモノにするまで執拗に追いかけると聞いている。諦めはしないだろうが、お札の効力で俺たちの姿が見えなくなってしまって、どこか違う場所で俺たちの事を探しているのだろう。

 そう考えたい所だ。このお札が持ってくれればだが。

 いそいそと移動しているとやがて、民家の明かりが見えてきた。

 やった、もうすぐ実家かもしれない。

 俺は気になって阿藤さんに声を掛ける。

「もう大丈夫ですよね?」

「いや、どうだかな。今は何もいないようだが・・・。どうも引っ掛かる」

「何がですか?」

「うむ、それは・・・」

「?」

 阿藤さんの顔から血の気が引いたような表情で見上げている。

 まさか!

 俺も振り向こうとするが・・・。

「見るな!」と、阿藤さんが叫ぶ。

「ボボボボボッ」

 奴の声が聞こえる。

 奴は俺の背後にいる!

「見るな・・・。ばれかけているが、完全にこちらを発見したわけではない。お前の目線が奴に向いた時、完全に見つかってしまうぞ。これだけの距離だと走った所で追いつかれる」


「じゃあ、どうすれば・・・!」

「私が戦い、その間に逃げるのもありとは言えない。仲間が何人もいれば話は別だと思うが得策とは言えんだろう。仮にお前の実家がすぐ目の前にあったとしても、この事を説明して急いでお札が大量に貼られた部屋へ行くにしても準備だけでも時間が掛かりすぎてその前に捕まってしまうだろう。言いたくはないが打つ手は残されていない」

「そんな・・・」

 やっぱり人と怪異とでは力の差が歴然だと言うのか。

 つまり俺はここで・・・。

「バカな事は考えるな。いずれにせよ、私はお前を守ると言った。約束は必ず守る」

「でも、打つ手がないんじゃあ、どうしようも・・・」

「いや、ある。一つだけな。」

「一つだけ?」

「ああ、私が身代わりになるのさ。お前の代わりに奴の注意を逸らす。ついでに興味も私に代わってくれればおそらくお前は助かるはずだ」

「そんな・・・。あんたが殺されたら・・・」

「なぁに、心配はいらん。これも私の仕事だよ。身代わりにはなるが殺される義理もないのだからね」

「本当に生きてくれるんですか?」

「当たり前だ。さっ、君は早く行きたまえ。そうしたらすぐにでも私が戦う。時間がないぞ、行けっ!」

「阿藤さん!」

 俺は走ろうとした・・・。だが・・・。


「くっ・・・。いかん、もう手遅れだったか!!」

「えっ?」

 思わず俺は八尺様を見やってしまう。

 八尺様が俺の方を見ている!真っ黒でまるで空洞のような目で俺を。

「ボボボボボボッ」

 俺と奴の目が合った瞬間、俺は金縛りにでもあったようにその場から動けなくなってしまった。そして奴は指が細く、しわしわな手が俺の顔へと近づけていく。

「ええぃ!!」

 阿藤さんは俺の手を掴むと一気に走り出した。手を握られた時、俺の足も自然と動いた。阿藤さんが俺の金縛りを解いてくれたのか。

 いずれにせよ、足が動かせるようになったなら今はとにかく走って、走って、走りまくるしかない!

 奴が俺たちを見失うようにするために、とにかく曲がり角へ曲がっていった。一直線の道なら奴から見失う事などできないし、追いつかれるだけだ。それに背後を振り向く余裕も今はない。ただ、走る事だけが無我夢中だったから。


「くっ・・・」

 再び曲がり角を曲がったまではよかったのだが・・・そこは行き止まりだったのだ

 慌てて引き返そうとするが・・・。

 奴はすでにこちらまで来ていて、丁度囲まれるようになってしまった。

 奴は追い詰めたぞと言わんばかりにニヤッとした。

 その表情が無機質で返って不気味を増していた。

 ここまでか・・・。ここでなのか?

 と、思っていたら・・・。


「ボボボ・・・ボゴァ・・・ッ」


 奴の体がグニャッと曲がったのだ。

 金属がぶつかったような鈍い音と共に。

 そして奴は壁へ激突した。

 何が起きたんだ・・・?


 俺はハッとした。奴がいたで所に奴の代わりにそいつはいた。

 純白なワンピースに大きな帽子。

 間違いなかった。

 そいつも八尺様だ。

 彼女と目が合う。

 彼女は柔らかく微笑んだ。


「ポポッ・・・。ポポポッ・・・」

始めまして。

作者です。

私が一番好きな都市伝説。

そう、八尺様と都市伝説を小説にしてみました。

ぜひ読んでくれると嬉しいです!

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