登場人物 日常編
*ジェミニ
……仮想現実体感ゲーム・ジェミニ。医療面に明るい大財閥悠木家の元で六年前発売されたMMORPG。ゲーム内時間は現実時間よりも早く進行していることと、ネットが繋がるどこでもアクセスができることで世界中から注目集めている。日本では一部、経済・企業が癒着している。神経系を接続することに危険視する批評家もたまにいる。デバック機能がついているため、ゲーム中でも五感を伴う。
*知名高等学校
……自由を気風に、生徒は責任感を持って行動するようにとの教えだが、結局は放任。たまに熱く、教師ともども平凡普通な学校。私服登校ができることだけが特色。進学校ではあるが、まずまずの偏差値。体育は男女共同。悠木家の影響下にある(権力に弱い)。
【語り部】
示崎 杏(偽名:示崎 晩) 18歳
二年前の事件によって心に傷を負い、静の伝手で逃げるようにアメリカへ留学。NNM呼ばれるサークルに所属。変人に好かれやすい。不運体質。知名高校に二年生として編入(一時留学のため退学していたためダブり)。表情が出にくく、心中が読わかりずらい。中性的な顔立ち。なぜか男子に間違われること多々あり、実は傷ついていたりするが、架火の前で杏であることを知られないために、性別の自己主張は控えている。静の社交に付き合って女装(?)場面あり、イチャイチャる。
*過去:不運体質が双子の弟・晩に及ぶことを恐れられて両親に捨てられ、施設で育つ。里親に出されるが、一度目は両親の死亡。二度目は借金のかたで売られる。この時、晩に頼まれて探しに来た静に助けられ、晩と再会。以後、悠木の世話となる。
【ヒーロー】
柏 糸闇 17歳
顔色悪く、寝不足のクマが目立つ美少(青)年。近寄りがたい雰囲気の知名高校2年。受験失敗のため親から勘当され、高級マンションで一人暮らし。最近の悩みは隣の部屋の住人からのちょっかいと、編入生への対処。日課はジェミニと病院へのお見舞い。なんでも知り合い(初恋・片思い説は強く否定!)が意識不明だとか。周囲に女性が多いという、典型的なハーレムヒーローだったりする。特技:杏をデレさせる。
*過去:天才と名高く周囲からも親からも期待されて育っていたのだが、期待が重く、楽しみのない生活に飽き飽きしていたころ、晩と出会う。会ったのは一度きりだが、ジェミニに誘われた。そこからジェミニ漬けだったのだが、二年前のロキ失踪により精神ボロボロ、受験失敗。半年前にはジェミニでの仲間が意識不明の植物状態となる(よって病院通い)。
【ヒロイン】
悠木 架火 17歳
日本屈指の大企業・大財閥の悠木家のご令嬢。コンピューター系と医療系の両方におけるずば抜けた才能により、天才の名を関する黒の長髪が印象的な美少女。二年前の事件より、対人恐怖症・人間不信・記憶障害(混濁)・成長停止など併発。現在は、失った恋人・晩の影をその姉・杏に求めて認識の齟齬が起きている。コンピューター系で出会った人たちに信者がいるので、出かける際の送り迎えなどしてもらったりする。変な声を発する時がある。性格も外見も子供っぽいので幼女にしか思えない。寝つきがよい。発想が突飛だったり、異常な集中力は生来のもの。
*過去:幼いころから入院している晩とは幼馴染から恋人になり、晩を治すために自らを実験台に医薬品などいくつも開発したが故、心身共に異常がいくつも出ている。
【*過去のヒーロー】
示崎 晩 享年16歳
それなりに金持ちの家に生まれ、才能あふれて神童などと呼ばれて過ごしていたが体が弱く、ある日倒れてからはずっと入退院を繰り返し、そこで架火・静と出会い、幼馴染として過ごすが会ったことのない姉・杏を探していた。自らが長いことを悟り、大人びた風なところがあったが、ゲームの中で生きればいいという杏の言葉に発想を得て、ゲームの架空演算能力を使用し、現実世界にゲームの情報を投影するという方法を思いつく。その巨大実験室として、架火とともにジェミニを作る。
【友人1】
来住 17歳
知名学園の2年。お調子者というかムードメーカーというか、トラブルメーカーの方が正しいのか、お祭り騒ぎが大好きで、騒がしいことこの上ないが、老人に優しく、異性にもテレ交じり優しい。背が低いことが悩みで、髪形をツンツンにさせて少しでも大きく見せようという涙ぐましい努力に女性陣は母性本能をくすぐられるらしく、餌付けされている日々(気づいてない)。かなりの童顔もあって、女の子に間違われた経験あり。今はない、そう言い張る。
*過去:義理の兄(葛原)が天才故に、葛原の弟としての認識が強く、それにコンプレックスを懐いていた。中学からの友人・寿々原が来住を葛原の弟でなく、来住として認識しているため、いくらか払拭されている。
【友人2】
寿々原 17歳
知名学園の2年。見た目は女性関係が乱れていそうな、イケメンなのだが世話焼き体質。よって、来住の世話係任命を実は受けていたりする。晩の転校時には、最初に声をかけて世話焼きをするかと思えたが、案外、晩は柏に懐いていたので柏へと世話焼き係を交代。実は晩が女であると気づいていた。実は他人との距離感に気を使っている。来住のからかいネタは遊びの待ち合わせ中、私服の来住が男にナンパされていたこと。
*過去:(設定のみ、本編に出ず)不良をやっていた時期があり、来住にも兄・葛原目当て・利用目的で近づいたのだが、絆されていつのまにか脱・不良。いつかは話さなきゃと思いつつ、何も話せないでいるのが現状。
【ヒロイン兄】
悠木 静 二十代前半。
日本の医療関係巨大企業・財閥の悠木家の嫡男&次期当主。涼やかな目元に高い背の、女性的ではない綺麗系清廉な顔立ちの美形。杏曰く性格はひん曲がっていて、事態を面白くするための細工をあえてする知略家。若いうちから才能あふれ、現在は一宇会社を預けられている。若さゆえに実力に見合わない地位(といっても幹部、発言力はそのままでも十分)だったが、この度、昇進。適齢の異性が身近にいない上に勘違いされては困る、という理由でパーティーなどには(妹の友人として!架火の代わりに!恋愛っぽく見せてるけども演技!)杏を連れ歩く。目測ながら杏のスリーサイズどころか服をピッタリに仕上げるという徹底ぶり(鬼畜メガネ気質か?)。架火の心の傷を徹底的に壊しきった杏を嫌っている、というのが表向き。杏は様々なことで貸しがあるので色々従う。それを利用し、秘書のように付き従える素振りも。一応、唯一の成人した幼馴染。実は振り回されたりする、苦労人の参謀。杏の後見人。いっつも海外を飛び回る忙しさ。架火(&杏)に対する過剰なシスコン。寝つきがよかったりする。化粧で隈を隠すなど、部下への配慮もある。