#2
カーテンから朝日が差してくる。
妻の安眠のために遮光カーテンにしたのだが隙間があったみたいだ。
薄暗い寝室。隣には昨日の少し無理強いて抱いてしまった妻が寝ている。
今日は、定期受診があるため二人で有給を取った
「大丈夫だよ」と苦笑いして一人で受診するつもりだった妻を何とか説き伏せ着いていくことになった。
過保護がいると言われても、目の届かない所に行かせるつもりはない。
そんなことを思いながら髪を撫でているともぞもぞと起き出した。「おはよう」とキスをふらすと、赤い顔をして布団を被る。
なかなか可愛い行動をとるため。布団の上から抱きしめる。
ジタバタして拘束を外し「外人じゃないんだから」と怒っている妻を抱き上げて共に入浴する。
足に力が入らない事が多いため浴室は危険だ。いくら手すりがあろうとも。
その為、一緒に入っていると言うのが建前。妻の裸を見るのが楽しみだったりする。
朝ごはんを済ませ自分のコーディネートした服を来ている妻を促し病院へ
主治医が居る病院は、小さなところだが、妻以外にも似た症状の患者が通院しているため色々なお徳情報・便利情報を交換できる。
「九条さん」と診察の順番が来たので妻と共に診察室へ
主治医の松田医師と知らない医師がいる。
人見知りの妻が怯え握っていた手に力が入っているため、腰に当てていた手で撫で安心させる。診察椅子のソファーに座ると身を寄せてくる妻
それを見た松田医師が苦笑しながら「相変わらず、人見知りだね。こっちの医師は新人だよ。九条さんの診察には携わらないが、見学がてら顔見せだから」と言っている。
妻の足は病気ではないが足を庇うことで体の歪み・痛みがでないよう年に数回のチェックとプロのマッサージをするために通っている。
問診を終え体に特に腰に負担がかかってないかMRIを使ってのチェックを行うが、特に問題なく「良かった」と胸を撫で下ろしている妻。
問題が有れば仕事を辞めるように薦められるのが解っているからだろう。少しだが嬉しそうに小言で「ありがとう」と言ってくる。
可愛い。このために、毎晩マッサージを行っていると言っても良いくらいだなと思う。
「あとはマッサージだから」と看護師に案内されていく妻を見送り松田医師と向き合う。「いつもの事ですが、奥様の生活で変わったことは?」
「特にないが、朝に腰が立たないときがあるくらいだ」
「自粛してください。あとは?」
「ないな」
「そうですか。普通なら完治し歩ける傷なんですがね」
「解らないから研究しているのでしょ?」
「ええ。毎年、少しですが体力が落ちているみたいなので、体力作りに無理のないリハビリを出しますので」
「では、できる範囲でやります」とリハビリのメニューを貰う。
病院後、二人でデートをする。
まえから行きたがっていた動物園に行きパンダをみて興奮している妻を見ていたり「手を繋いで」と甘えて来るのを楽しんだりして居ると昼になる
休憩と昼を取るため園内のレストランに入る
園内限定を頼むかどうしようか悩んでいたので「半分こ」と伝え注文する。
昼食を食べ次はどこに行くか相談していると会社から電話が
「どうしました。今日は連絡しないで下さいと頼みましたよね」と掛けてきた上司に苦情を
「どうしたの?」と聞いてくる妻に「何でもないよ」
といい電話切ろうとすると上司が、「奥さんいるな。昨日の資料紛失。しかも、それを元に作ったデータ消去しちゃったバカがいるから助けろ」
「妻の同僚に頼んでください」
「無理。奥さんじゃないと分からないって言われたから」
「頑張ってください。今デートしているんですから。邪魔しないでください」
「夕飯おごるから」
「要りません」
「今度。代替二人に上げるから助けろ」
「話だけしますので、一度切りますよ」と携帯を切る
何だろうと言う顔の妻に「会社からだよ。昨日渡したデータをなくしたとか、企画中のデータが消去されたから助けろだと」と説明。
「へ~。総さんは信頼されているね。でも、データだけなら直ぐに申請すれば、出てくるから私はいかなくても良いでしょ?」と行く気が無さそうだ。断ろうと携帯を取り出すと妻の携帯が鳴った。「うん?会社からだ」と出る。最初は普通の対応だが徐々に顔が険しくなってきた。
「わかりました。行けば良いんですよね」と怒気を含みつつ携帯をきり、済まなそうな顔をして「会社から。行くことになっちゃった。ごめん」と謝ってくる。
そんな姿も可愛い妻。問題を起こした奴等には相応の罰を与えることとして、会社に向かう。
タクシーの中で疲れただろウトウトしているため「着いたら起こすから」と寝かせる。
会社に着き起こすが、体に力が入らないようなので、抱き抱えて運ぶ。
社内で注目を浴びるも無視。妻は眠たいのか気づいていないが、男達は妻を見て騒いでいるのだ。
可愛い妻を見せびらかすのはいい気分だが、他の男に見られるのは嫌いだ。矛盾している感情を抱きながら、職場に着くと騒然としている。
上司の元に行き状況説明をしてもらう。
「さっき電話した通りだ。データ・企画書がなくなって作り直すことになったが、その土台のデータまでもが無くなっていて探しつつだよ」とのこと
上司が妻に向かって「わかる?」と聞いている。
「たしか、今の企画って開発部と共同のやつですよね?
データの場所。前回の会議で決まった方向性についての書類ならどけにあるかわかりますよ」
「本当か!!」と大きな声を出されびくっとするため上司から距離をおく。
「何で離れる?奥さん持ってきて!!」というがそれを「嫌です。データ・書類を持ってきても良いですが、私怨で仕事に支障を来す人がいる場所に持ってきたく有りません」といい断っている。
そして職場に連れてってと言うため向かう。
妻の職場では、必要書類が既に用意されいた「私より優秀人がいるんだから、分からないなんてない」と言いきっている妻
「や~最近多かったからね。こう言うこと」と妻の上司。
「ですよね」と他の人もいい休憩を取っている。
ソファーに降ろし横に座ると寄りかかかってくる。
「疲れてるな。明日も休め」と休みを貰う妻。明日一人で大丈夫かと心配していると「旦那さんも一緒にな」と笑っている。
違うかの有給なんてとれるのかと思うが、ありがたく休ませて貰うこととし家に帰る
いきな上司ですね