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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年3月

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短期集中的な瞑想が向いているかもしれない

抹茶は飲んでも滅多にカフェインの影響を感じないのに、近しい作られ方をしている緑茶は高確率で私にカフェイン過敏の症状を連れてくるから悩ましいものです。どちらも好きな飲み物なのに………。

抹茶は玉露と同じように、覆いをかけられて育てられるそう。その過程で増える「テアニン」が、カフェインの働きを和らげてくれるらしいです。生育中に浴びた日光の量の多少で、こんなに作用が変わるんだなぁ……と、じりじり痛む胃をさすりながら小並なことを考えたりもします。


抹茶にも緑茶にも「茶道」「煎茶道」と人間性の修養までを視野に入れた一生ものの学びが想定されているように、どちらにもおいしく、道具を丁寧に扱うための作法があります。

私はどちらの式正な茶席にもまだ参加したことがありませんが、美味しい一杯の前に出される料理の内容や雰囲気から実際の茶の淹れ方、点て方まで、違いがたくさんあることでしょう。

もしかしたら、茶を飲むのにかけるべき時間そのものにも違いがあるのではないかしら? と自分なりの印象を抱いたりもしています。

抹茶は、あまり時間をかけずに飲むと一番美味しいです。私が師事している先生によれば、昔は「3口で」と言われたものだが、最近は「何口かけてもいい」とのこと。とはいえ正式には、5分とかけずに一服する傾向があります。

空気に触れる時間が長くなると、せっかくの適温で点てた茶が冷めますし、苦味も強くなるからではないでしょうか。


一方の緑茶(煎茶)は、抹茶よりは時間をかけて喫するイメージ。

紅茶とは違って、一煎味わったらお湯だけ足して(茶葉は捨てないで)二煎目、三煎目と、水色(すいしょく)や風味の違いを楽しんでいく、とか。

抹茶も緑茶も適温があり、その辺りの温度帯で入れたらやっぱり色が綺麗に出て、味もすっきりおいしい。


ちょっと話がそれましたが、私は緑茶を作業や読書のお供に長くゆるゆる楽しむのに対し、抹茶はさっと点ててさっと飲み、さっと片付ける楽しみ方をしています。つまりは短期集中みたいなスタイルということ。


せっかちな私は、多分15分以上をリラックスして過ごすことに慣れていないのです。

逆に「よし、これから抹茶を点てて飲む」と決め、準備〜片付けまでの流れをなぞることが、ある種動く瞑想のような効果をもたらして、気持ちを切り替えるスイッチの役割をも果たしてくれます。

バッと集中して執筆して、バッと集中して抹茶を点て、何口かで飲む間に「ほっ」とついた息が緊張の糸を緩めてくれる。

頭を空っぽにして道具を丁寧に片付けたら、さあまた集中。


人それぞれにあるだろう「その人に向いた緩急のスタイル」の、私の場合。

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