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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年3月

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基本にして至高--利休七則

私などは思わず「りきゅうななそく」と読んでしまうのですが、「りきゅうしちそく」と読む人もおられ。

間違えているとちょっと恥ずかしいから、その場の雰囲気を観察してから口に出したりしています笑。小心者。


くだんの利休七則というのは、千利休が語ったとされる、茶道の基本のことです。

この基本が7つありますが、完璧にやり遂げるのはとても難しいそう。

この七則を聞いた弟子が「そんなの簡単じゃないですか」と言うと、利休が「これが完璧にできるようなら、私はあなたの弟子になりますよ」と言ったといいます。つまり、簡単そうに見えて、とても難しいことなのでしょう。


茶道においてできることが増えていき、ちょっと鼻の頭が伸びそうになったら、私はこの利休七則とそのエピソードを思い起こすようにしています。

世の中、リーダーになりたい人ほどリーダーに向いていなかったりするものです。ワンマンっぽかったりして。(自戒)

権力欲のない謙虚な人の方にこそ、人の上に立つ素質を持っている人がいたりしますよね。人混みの後ろの方で、静かに光っている。できれば見抜かれなければいいな、とすら思っている。権力に興味がないからです。


技術の習得や鍛錬もそれに似たところがあるよなあと思っていて、「自分はできてる」と思い込むことほど危ないことはないと考えています。「自分はできてる」と思うと、それ以上学ぶ意欲を失ってしまうからです。


茶道においては「修了証」ではなく「許状」というものが授与されるという仕組みからも、一生学び続けるものである、というあり方が察せられます。

「きっとどこかに、まだ及ばないところがあるんだ」

「もっと磨けるところはどこだろう」

「これでよかったかな?」

お点前の中で、自分の一挙手一投足を常に確かめ続けられる人間性を持ちたいと思っています。


そして人間、「常に」というのがこれまた難しい。

行く道の長さを思います。

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