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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年3月

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補正しなくても着物は着れるので、やってみた

着付け教室に通い始めた時、最初にやったのは襦袢に半衿を縫い付けること。

次にやったのは肌襦袢や裾よけの着方と、補正だった。


思えば成人式で振袖を着た時にも、腰からデコルテ周りまでこれでもかこれでもかとふわふわの綿を重ねられた。あれも補正だったのだろう。


着物を綺麗に着るには、胴体が寸胴な方が都合が良いらしい。

いわゆるグラマラスな体型だと、綺麗に着付けるのが難しいという。着物に対して、その下の体があんまり細すぎても、着崩れの原因になることだろう。だから補正をして、着物をできるだけ綺麗に、崩れにくいように、着る。


私は着付けを補正ありで習ったから、習ったことに真面目に、いつも補正をできるだけきちんとして着ている。これは人によっては(着物に向いた体型の人であれば)不要なはずの一手間で、この一手間を認識しているゆえに、着物を着て出かけることを億劫に感じてきたことも、一度や二度ではない。手順がひとつ増える、って、単純に言ってしまえばあまりにも面倒臭い。


……から、補正を省いて着物を着てみることにした。

着付けながら、そして実際に出かけながら、私はヒヤヒヤしていた。着崩れちゃったらどうしよう? 直せるように腰紐やらは持ってきたけれど……。

着ている服のことを気にしながら歩くのって脳のリソースをとられるし、周りのことに集中できなくて小さなストレスが積み重なっていくことだ。「着崩れるかもしれない」と気にしながら歩くなんて、あえてやってみたわけでなければ考えず済ましたい懸念である。


しかし、私は自分で着物を着られるようになって8年ほど経つ。何度も自分で自分に着付けてきた経験から、「こうすれば着崩れない」とか、「これくらいの強さで紐を結んでいれば大丈夫」とか、文章にするには難しい体感的なノウハウを積み重ねてきている。

試しに補正なしで着物を着てみた日、「なんだ、全然大丈夫じゃん」と思った。

実際、出先で重い荷物を持ち運んだり、かがんだり立ち上がったりしても、着物は着崩れなかった。無事に帰宅した。

ただ、気づいたことも一つある。

おはしょりが綺麗にならない。


私の補正はとにかくウエスト周りを分厚くすることに注力することだ。(振袖などの時は肩ももうちょっとあったほうがいいのだろうが……普段そんなことやっていられない。ますます着物を着て出かけるのが億劫になってしまう)

今回、その補正をサボって着てみたら、着崩れなかった代わりにおはしょりはぐちゃりとしていた。腰周りが平坦でないから、おはしょりも真っ直ぐにならないのだ。これはどれだけ直そうとしても、おはしょりが外側に飛び出した感じに見えて見苦しかった。


個人的な検証結果。


補正は必ずしも必要ではない。補正しなくても着物は着崩れない。

ただし、きちんとして見えるためには必要である。


普段着として着るのなら、むしろ力が抜けていてカジュアルな感じになるかも。

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