表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年2月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/92

先生!建水忘れました!!

茶道とは「道」であり、人生をかけて歩き続ける道であるという。

で、あるからには身に付くものはお点前の技法や所作だけではなく、人となりや人間性の成長も促される機会に溢れている。と常々感じる。


先日の稽古で、こんなことがあった。


初めての立礼(りゅうれい)の稽古。道具の置き場所や座り方はいつもと違うけれど、お点前の流れ(やること)はいつもと変わらない。

私より先にお点前の順番がきて次々にテンパっていく同輩あるいは先輩をみて、「そこまでテンパるか…? 私の方がデキるかも」なんて、よくない驕りを育ててしまっていた。

よくないなと思いつつも、もともと自己肯定感の低いところから出発している私にとってこれは越えねばならぬ課題で、人生の折々いろんなところで顔を出してくる。まさか茶道の場でも「人よりできる私の方がすごいでしょ」マインドに遭遇する機会があるとは思わなかった。


……そしてこういうときに限って、一番えれぇ失敗をするのが私なのである。

いざ立礼卓に向き合った私は、お点前の流れが頭からすうっと消えていくのに気づいたし、何なら茶筅通しをしたお湯を捨てようとして左下に目をやったら建水がなかった。

あろうことか建水を忘れたままお点前を始めたのである。

終わりだ。


別に厳しい先生じゃないから、叱るでもなくユーモアでカバーしてくれるでもなく。ちょっと傷つくレベルの無反応。我が茶道部はカルチャースクールの文化祭的なやつで茶席を設けるらしくて、立礼の練習が始まったのもお茶席のため。いつもと違う卓とパイプ椅子を並べてのお稽古にみんな緊張感のある雰囲気だし、本気で、入る穴を掘るところからやりたいと思った。やらせてください。


望むと望まざるとに関わらず、天狗になると直後にひどいしっぺがやってくるものである。今回は練習の場だし、私がその場で一番若いからチャーミングなミスとしてみんな許してくれたかもしれないけど。

これから年齢が上がっていったらそう気軽に許してもらえる場ばかりでも無くなっていくんだろうな、嫌味な人間性見抜かれちゃうんだろうな……と思うと、機会を見つけてやすやす伸び始めてしまう我が天狗の鼻を何とかして人間に戻したい! と切実に思うのである。これから付き合い方をちゃんと考えていかないといけないな。


このように、茶道は人間性も鍛えられます。という話。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ