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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年2月

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紅茶党のための、日本茶への入口。

紅茶党をやって10数年。日本茶党になって1年ほど。

紅茶と日本茶(緑茶)では淹れ方も、美味しく飲める茶器もまったく違っていて、紅茶に慣れた私としては「めんどくさいなあ」と感じることも多くありました。

でも、日本茶って美味しい。だからこそこのおいしさをわかってくれる人が増えてほしい。

そう思って、今日はお茶について書こうと思いました。


紅茶と日本茶は同じ「チャノキ」から作られるのに、その栽培方法や収穫後の処理の仕方によって、風味も名前も変わってしまうから不思議な植物です。

なんなら抹茶も、烏龍茶も、チャノキの葉っぱの加工品。そろそろ宇宙猫の顔になってしまいそう。


紅茶は沸騰したてのぐらぐらに煮立ったお湯で抽出しないと、味も香りも中途半端。

一方の緑茶や抹茶は、80度くらいのお湯が良いと言われています。

これは緑茶の旨み成分である「テアニン」がもっともよく出てくる温度帯である一方で、苦味成分である「カテキン」の抽出が抑えられるラインだから。旨みの多いお茶ができるのです。


でも自宅には温度設定のできない湯沸かしポットしかなく。せっかくぐらぐらに煮立ったお湯を、80度と言う見極めの難しいところまで冷ましてからお茶淹れるの? はっきり言ってめんどくさいな……でも美味しいお茶飲みたいな……と、思っていた時期が私にもありました。


その紅茶と緑茶の間を橋渡ししてくれる日本茶がね、あったのです。

それがほうじ茶。

ほうじ茶は文字通り焙煎してあり、どちらかというと紅茶に近い感じ。

淹れ方を調べてみても「沸騰したお湯に茶葉とかティーバッグとかを入れる」と書いてあるため、紅茶に近い感覚で、とにかくお湯を沸かして注げばOKなのです。

以前の私はほうじ茶が苦手で、「茶葉を(ほう)じないで、緑茶のままくれよ」なんて身も蓋もないことを思ったりしていたのですが。雰囲気の良い喫茶店で、カステラと一緒に出てきたほうじ茶がなんとも美味しくて。以来、ほうじ茶もちゃんと淹れれば美味しくなると考えを改めました。言うたらコーヒーだってなんだって同じことですよね。テキトーに入れたらまずいものができるのです。


ほうじ茶は焙煎してあるゆえに、緑茶とは風味も旨みの感じられ方も全然違うけれど、「ぐらぐらに沸騰したお湯でいい」と言う手軽さは、紅茶と日本茶の間を埋めてくれるのではないでしょうか。


そこから緑茶に進もうとすると立ちはだかるのが湯温ですが、沸騰したお湯にお水を良い感じに足すと、すぐに80度のお湯って作れます。

これは使ってるヤカンの容量とかで変わるので、分量は指定しませんが。

茶道ではお点前を終えた後、釜に水を柄杓一杯足します。沸騰しかけていた音が落ち着きます。ほんのちょっとの冷えたもので、煮えたものの温度って変わるので、たくさん入れなくても良いということなのでしょう。


不精をして熱湯で入れた緑茶はちょっと濁っていて苦味も強いけれど、ちゃんと湯温に気をつけて入れた緑茶はね、色も旨みも澄んでいて美味しいです。

緑茶の茶碗には、紅茶カップにあるようなハンドルがついていないけれど、あれは紅茶より低い温度で淹れるからなんだろうなって最近、気づきました。ハンドルがなくても直で持てる温度になるのです。モノの方から学ばされました。


とりあえずマグカップがあればお茶はなんでも飲めるし、私はティーポットで紅茶も緑茶もなんでも淹れてます。お道具集めるのは必須ではないから、とりあえず気軽にお湯を沸かしてみては。

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