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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年2月

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1年で深まる、陶磁器への愛--ウェッジウッドからニッコー、そして織部と赤絵へ

趣味でお抹茶を点ててきた10年にひと区切りをつけ、きちんとお作法を習いたいと腰を上げてはや1年。

昨日のエッセイの通り、元々の収集癖とモノへの興味関心を活かして、この一年だけでみても日本のやきものに対する知識はぐんと増えた感じがしています。


そもそもは私、日本のやきものにほとんど興味がありませんでした。知っていたのは美濃焼と織部焼くらい。

しかもなぜ「織部」という固有名詞を知っているかといえば、以前通っていた素敵な和雑貨屋さんが「織部」って名前だったからです。古田織部のことは去年覚えました。


紅茶党であったことを証明するかのように、私がもりもりと知識を収集していたのはむしろ西洋のティーセットとそのお窯について。お気に入りのブランドはウェッジウッドとロイヤルアルバートです。

仙台には「ホシヤマ珈琲」という、よいカップ&ソーサーで紅茶をいただける素敵カフェがあるのですが(ドリンク2杯付きのアフタヌーンティーセットが4000円以下で食べられます。逆に東京での値段を調べたとき、二度見しました)、そこでロイヤルドルトンのカップが出てきた時は思わず拝みました。自分の手元に置くには恐縮してしまうようなものをも使わせていただけて………! なんてありがたいホシヤマ珈琲……!

お下品な趣味なんですが、あそこに行くと飲み干したカップかソーサーをひっくり返し、素敵なカップのブランド名をさらっと確かめずにはいられないのです。庶民くさいかね(苦笑)。


……そんな私が、今や織部焼とか唐津焼のことを「素敵」だと思うようになっている。1年前の自分に言ったら「………ちょっと耳掃除してきていい?」とか言って席を外されそうです。自分でもびっくりするような変化なので。

日本のものブームが私に到来するのは3回目くらいだから、詳しくないとは言っても「素敵だな」って思える焼き物はね、以前からあったんですよ? 京焼とか。萩焼とか。

京焼はお抹茶にハマり始めた初期の頃から好きで、「京焼」と検索した時に画面に表示されるお茶碗が、とにかく華麗で素敵なのです。友禅の帯をそのまま器に閉じ込めたような、華やかな色柄。有り体に言えば「分かりやすい」綺麗さ。

陶器の手触りもつるりとしていて本体が軽く、ちょっと西洋のティーカップに通じる美があったのかもしれません。

萩焼を好ましく思うようになったのはつい2、3年ほど前のことで、絵付けはなかったりシンプルだったりするのですが、うつわの肌がツルッとしていて手触りがよく、釉薬のグラデーションがとっても綺麗なのです。去年、陶器市で買った萩焼の小鉢をめちゃくちゃ大切に使っています。


前述した「織部焼」や「唐津焼」は、京焼・萩焼と比べるともうちょっと「ぼてっ」とした………と言っちゃうと失礼だけど。素朴な、重々しい、感じ。

うわぐすりのかかっていない? 少なめ? な、土の肌触りがわかるような仕上げになっていることもある陶器が多いイメージです。

いろんな風合いのものがあるから、焼き物の名前だけでくくって「これのどういうところが好き?」と自分に問うても一言で答えるのはなかなか難しいのですが………。そういう丸っこい風合いをね、好きだなって感じるようになってきたのですよ。

リサイクルショップやオークションサイトなどで織部焼を見かけると、脊髄で購入しそうになってしまいます。だってかわいいから。

あの、土の風合いが残ったクリーム色の地肌と、ツルッとした緑色の部分が。なんとも言えずかわいくて。一時的に語彙力を失っていますね、はい。

今日のタイトルにしている「赤絵」もそうで、昔は「おばあちゃんちにあるような」というか。手書きっぽすぎる筆運びがなんだか稚拙で、西洋のものに比べて洗練されてない感じがして、あんまり魅力を感じられていませんでした。

それなのに、以前リサイクルショップで見かけた赤江のうつわがすっごい可愛くて。それは全然、粗雑な感じ、やぼったい感じがしなかった。上品な赤絵ってあるんだ!! って思った。

以来、「赤絵=野暮」という失礼な先入観が崩れて、かわいい赤絵を探すようになりました。



日本のやきものは全部土の風合位を楽しむ系なのかと言われればそうではなく、西洋の、磁器? に近いもので言えば「ニッコー」というブランドのうつわたちにとても心惹かれますね。

レトロなブランドなのか、その来歴にはまだ詳しくありませんが、蚤の市やフリマ、オークションサイトなどを覗くと最近たくさん出品されていて、どれもとても素敵です。

以前は西洋のうつわでも、色柄の派手なものが好きだったんですが、最近はブルーホワイトや赤一色など、シンプルなものの魅力に気づき始めています。ニッコーを好きだなって感じるのも、その流れの一環かもしれません。

うつわに施された絵の、上品な青色と、お皿の肌触りが上品でめちゃくちゃ好きなんです。もう食器棚が満員なのに、一体何度うっかりとティーカップに入札しそうになったことか。(今でも密かに狙っている)

ティーカップの、直線と曲線がほどよく融合されたたたずまいがこの上なくときめくのです。和洋折衷? シノワズリー? 和洋折衷と言えば、行ったことないのですが私はホテルオークラや帝国ホテルに、ニッコーのティーカップのような雰囲気を想像しているような気がします。西洋っぽい形をしているけれど、細かいところを見ればこれは日本の文化から来たものだよね、という発見をさせられるような。


もしかしたら今後さらにうつわの好みが変わって、「今はこっちの方が好きです!」って主張する別のものが現れるかもしれない。

けれどもニッコーも織部焼も、好きなもの一位でなくなることはあれど嫌いにはならないんじゃないか? と感じています。今後の変化も楽しみに見守っていきたいです。我ながら。

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