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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2026年1月

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18/92

谷崎が教える「日本のここが良い!」な一作「陰翳礼讃」

高校の教科書に載っていた「水の東西」という小論を思い出しました。

YouTubeで「読んでみた」と題した朗読動画をこつこつアップしている最近。

今は夏目漱石「吾輩は猫である」と谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」を主に更新中です。


https://www.youtube.com/@Akari-Arisa


「陰翳礼讃」は、ちょうど今日最終セクションまで読み切ったところ。予約投稿もバッチリ。

文ストファンとしては、谷崎を読むならぜひ「細雪」からがよかったんだけれど、その前に谷崎が日本文化に言及している一作があるという情報を得て、どうしてもそちらから手をつけたくなったのです。


その時手にしていた本は石塚 修著『茶の湯ブンガク講座: 近松・芭蕉から漱石・谷崎まで 』(淡交新書)

https://amzn.to/4aFd48Z

という一冊。ここに谷崎の「陰翳礼讃」が取り上げられていました。(漱石先生の著作も!)

「陰翳礼讃」の一部--通して読んでみた所感としては本当に一部--が引用されていたのですが、その力強さといったら。

その部分を読むだけで、谷崎がどれほど日本の建物のつくりや茶の湯が大切にしてきた精神性に共感していそうかどうかが伝わってきて、「陰翳礼讃」の全部を読んでみたくなりました。


そうやって始まった、読み聞かせ。

読了した所感としても、良い作品だった、今の日本にぜひ広がってほしいと思えます。

西洋式の明るい部屋に慣れてしまうと、日本の、特に和風建築の、暗いところが多くてどろっとした感じの暗さが怖いけれど(例に漏れず私も)、その暗さがなぜそこに存在するのか、和風建築を形式立ててきたかつての人々がそこにどういう意図を込めていた可能性があるか……? を、谷崎の言葉で考察する読書時間。

最近は蛍光灯の照明に疲れを感じて、間接照明や暖色の灯りを志向する人も増えてきています。

だからこそ今、その「ほの明るい」ことの意味合いや効果が改めて広がってほしい。


伝統的な日本間をもつ祖父母の家を思い浮かべながら、「次にあそこを訪れたら全く違う見方ができるな……」と楽しみになっています。自室も間接照明だけにしちゃいたいな。




かといって暗さの中でより映える文化を持っているのは東洋の人ばかりというわけでもなく。

中世の食事風景には枝分かれした燭台が欠かせませんよね。

金属製の食器やアンティークの宝飾品って、現代のビカビカした電灯の下で見るより、「揺れる蝋燭の灯り」の中でみた方が魅惑的なんですって。

西洋にもほのかな灯りが生み出す美しさがあるのに、なぜ真っ白な蛍光灯が生み出されて、一時的にかもしれないけどこんなに普及しているのか。

それは文学ではなく文化人類学系の研究分野かもしれないけれど。いつしか系統立てた考察が生まれたらおもしろいと思う。

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