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現代お茶人作家のつれづれ日々帖  作者: 久慈柚奈
2025年12月

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百均の汁椀をリサイクルショップの漆器にグレードアップしたらQOLも爆あがりした話

お気に入りの漆器が食器棚にあるのと目があうだけで幸福なんだが。これって恋かな?

まだ学生だったころ。いっとき和風なものに小さく憧れて、親に風雅な汁椀を買ってもらった。

百均で。

ほんとは東京インテリアの食器コーナーにある漆塗りのやつが良かったんだけど、それはさすがに高いと言われてしまい。

とはいえ百均の中で自分が一番気に入ったものを選びとり、大切に使ってきた。


時は流れて十数年。


より本格的に茶道から日本文化に開眼した私は、「懐石では漆器を使うらしい」という知識に触れた。

漆器って使えば使うほど味が出てくる……というのを最初に習ったのは、確か小3社会科でのことだったかしら。

さらには良いタイミングでスレッズに漆器に詳しそうな方の投稿が流れてきて。

漆器って敬遠されがちだけど、食洗機と電子レンジ・オーブンにさえ入れなければ割と一般的な食器と同じように扱って大丈夫、という、心のハードルを大いに下げてくれるような言説が飛び込んできた。


わ、漆器、使ってみたーい!!


特に「お米としてのごはんを漆器で食べる」というのに憧れる。買うなら蓋つきの漆器がいいな。


私にはお気に入りのリサイクルショップがいくつかあって、着物が充実しているところ、食器が充実しているところ……と傾向を把握してある。

一路、食器が充実している方へ!


あったあった、いつ行っても宝の山。

数々並ぶ漆器の中から手触りと収まりが良いと感じられるものを選び、レジへ。

リサイクルショップの特性により、汁椀と蓋つき飯碗を買ってもひとつ500円。新品ではありえない安さだ。


ほくほく帰宅してからの、ご飯とお味噌汁の美味しいこと。

「憧れの器を使っている」という自負も上乗せされて、幸福しか感じないというレベル。

店先で熱心に選んで一つに決めた手触りの良さが、ご飯を食べているあいだじゅう味わえる。こんなに嬉しいことはない。


しかも驚くことには、熱々のご飯や味噌汁を注いでも、全然熱さが貫通してこないのである。

小さい頃は今以上に感覚過敏がひどくて、ご飯茶碗が熱くて持って食べるのが嫌だった。

それが漆器に盛ってみたら、全然熱くない。

それならば中身も冷めているのかというと、全然熱い。というか油断して汁椀を傾けすぎて、私は口を火傷した。気のせいか、熱さが外側には漏れてこないのに、中身は冷めにくい気さえする。


漆器。思っていた以上に上質で、幸せで、そして高機能すぎやしないか……?


少子高齢化の時代やミニマリズムな風潮も手伝ってか、どこのリサイクルショップに行っても大概和食器コーナーには大量のうつわが置かれている。

茶道にハマった私にとっては、5客セットのうつわ選び放題の宝の山。

一方では売り場に並ぶうつわの数だけ、その大量を持て余したり、価値を感じられずに手放した人があるということ。


日本に住む人々よ、日本のものをもう少し見直してもいいんではないかい……? 確かに西洋のティーカップは華やかで可愛いけどさ。……と、過去の自分も含めて思いを馳せたりした。

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