なぜ和食器は半端に5客セットなのか?
専用の容器に整然と並んだシルバーのカトラリー。魅力的。
しっかりした洋食器やカトラリーのセットは、大抵1ダースが基本になっている。軽くても半ダース。
IKEAは日本の「標準的」家庭を想定しているのか、それとも世界の潮流なのか。カトラリーや食器は4組セットな傾向にある。(最近、食器はバラ売りも始まったかも。IKEA好きのYouTuberさんが話してた)
一方で和食器は、なぜか5客組の多いこと。
高度経済成長期の時に理想とされた庭付き一戸建てに住むのは父親母親に子ども二人のはずなのに、なぜか5客。
仮におじいちゃんおばあちゃんと同居する三世代家庭なら、それでも6組の食器が必要になってしまう。微妙だ。
かねてよりこの謎が解けずにいたのだけれど、これも茶道の探究を始めたこの頃になって解明できてきたように思う。
茶室は四畳半が基本で、それより狭ければ二畳とか一畳半。広ければ六畳、まあ八畳とからしい。
部屋の広さが限定されてくると一度に招くことのできる客の数も限られてくる。ごく平均的な茶室にゆったりと入れるお客さんの数は、和食器5組がちょうどいいくらいの人数であるらしい。
これは懐石道具とかをフリマサイトで愛でるうちに「もしかして、そうではないか……?」と感じ始めた私の予測でもあったし、ちょうど読み進めていた「利休の懐石」という本にもまさにそのように書いてあった、予測と正解が確認できている言説である。当たっててうれしい。
筒井紘一著『利休の懐石』(角川選書)
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それに昔の茶事であればあるほど、茶室に集まって時間を過ごすことの目的は「雑談」を楽しむことにあったという。その場に居合わせる人数が多くなればなるほど、ほとんど言葉を発さず聞き役にまわってしまう人も出るだろう。そうなると全員が楽しめる茶事ではなくなってしまい、せっかくの「一期一会」がつまらないものになってしまうかもしれない。
……と、そういう配慮も、後付けかもしれないけどあったら優しいな、と思う。
そもそも友達の友達と気が合うかどうかなんて分からない。友達と知人を引き合わせるにしても、程よく少人数の方が互いの人となりも掴みやすくて、人間関係が深めやすいことだろう。
大人数が広い部屋に詰めるパーティーも楽しいけど、本当に気心知れた人とひっそり集まる形も、あるいは是非とも引き合わせたい人と人を呼んでじっくり時間を共にするのも、豊かな過ごし方であるのかもしれない。
今欲しいものは電熱式の置き炉と、それをしまえる和室です。違棚があるとなおうれしい。なんてね。




