第1話ステータス
----犬神町 学校の登校中の街中----
1人の少年と1人の少女がいた。
少年の名は飛河音 優斗。裏世界で暗躍する殺し屋で、界隈では知らない者はいないほどの実力者。
少女の名は花前 小春。優斗の幼馴染で家同士が近所だった事で小•中•高の付き合い。
一般市民の中で優斗が殺し屋である事を知る唯一の人物である。
小春「ねぇねぇ。優斗、今日はちゃんと朝ごはん食べた?お腹空いてない?」
優斗「食べたよ。永時さんに奢ってもらったから。」
小春「永時さん....ってあの殺し屋になるキッカケになったって言うあの?」
優斗「うん。最近何も食べてない〜って言ったら「飯ないなら奢ってやるよ。」って奢ってくれちゃって。」
小春「良い人だね。今度お金返しなよ!」
優斗「永時さんからの殺しの依頼のお礼として、奢って貰ったから良いんだよ。
それに、この世界で借りを作るのは、後々面倒臭くなるからね....あっちもそう思ってんでしょ。」
小春「そう言うとこは、ちゃんとしてんだね〜」
小春は何となく、優斗を見る。
優斗の手首には濁ったような深い青い色をした腕輪を付けているのを見つける。
小春「....ねぇ優斗、その腕輪ってどうしたの?」
優斗「え?あ〜これは、お守り....かな。」
小春「へ〜お守りか。でも、厚田先生にバレたら没収されちゃうよ?」
優斗「....バレない様に上手くやるよ。」
2人は高校に入る。
----龍岸高校 2年C組----
優斗「おはようございますー」
優斗と小春は自分のクラスである2年C組に入る。
有野瀬「おっす優斗。おはー」
優斗「拓也おはよ。」
有野瀬「あっ!ちょっと来いよ優斗....」
優斗は有野瀬に連れられ、廊下に出る。
優斗「何だよ?」
有野瀬「....うちのクラスの不良の鶴岡いるだろ?
アイツもアイツの取り巻きも、ここらで有名な暴走族の覇鬼道に入ったらしいんだよ。」
優斗「覇鬼道?何それ?
(覇鬼道と言えば、深夜走行を繰り返して、最近勢力を伸ばし始めてる集団か....
面倒臭いし、始末してもいいけど、ヤクザとの繋がりも多いって聞くし迂闊に手は出せないな...)」
※優斗は有野瀬にも知られてはいけないので、嘘をついています。
有野瀬「....この前も、ウチの先輩が何人も病院送りにされた事件があったじゃんよ〜」
優斗「あ〜あれかー。確かに酷いかったよね。」
有野瀬「その時に俺もその先輩達と一緒にいたんだけどな先輩15人がたった1人にやられたんだよ。そいつ武器も持ってないのにだぜ?!」
優斗「....その暴走族の頭って事?」
有野瀬「頭?」
優斗「あっ!えっ....ば、番長!番長って事?!」
有野瀬「あ〜そうだと思うぜ?バカ強かったしなんかオーラっつうの?スゲェあったからな。」
優斗「そんな強いんだ。」
そう話しているとチャイムが鳴る。
優斗「あっ!チャイム鳴っちゃった。」
有野瀬「....戻るか。」
----そして放課後----
優斗と小春は帰り道を歩く。
優斗「小春、あれ見て。」
小春は優斗に指さされた方向にある公園を見る。
そこには、3人の柄の悪いチンピラに殴り飛ばされている中学生の少年がいた。
優斗「(....違和感)」
小春「酷い。周りも見て見ぬフリしてる....」
優斗「しょうがないよ。行ったところでどうにも、」
と言いかけた瞬間、小春はその少年の方へと走る。
優斗「ちょっと小春!?何やって....!」
小春「大丈夫?!怪我してない!?」
少年「け、怪我してないけど、お財布が...!」
チンピラA「何だお前?」
小春「ちょっとあなた!この子から奪い取ったお財布返してください!!」
そう言うともう1人のチンピラが小春を蹴り飛ばす。
小春「.....」
小春は口から少量の血を出し、気絶する。
チンピラB「おっ!クリティカル入ったかな?」
チンピラC「おーやるやんけ。」
優斗「小春....」
拳を握り込めチンピラに向かう。
チンピラB「あ?何だ次の相手はこのインキャくんか?」
チンピラA「お前じゃ相手にもならんわ。シッシッ....」
優斗はチンピラBの顎を殴りつけ、そのまま2メートル近くぶっ飛ばし気絶させる。
チンピラA「....えっ?」
そのままチンピラAとCは殴り倒される。
優斗「イキんなよチンピラ....」
周りを見渡すと町の人達が優斗達の一部始終を見ていた事に気づく。
優斗「あっ....(ヤバいやってしまった。)」
少年「あ、あの...」
優斗「あ〜財布だっけ?えっ〜とね....」
そう言いながら倒れたチンピラの服を弄る。
優斗「ん〜これ?」
少年「あっ!それ!」
優斗「良かった。はいこれ。」
少年「あ、ありがとうございます!高校生のお兄さん!」
少年はお礼を言って走り去り、優斗は倒れた小春を抱えて公園から離れる。
----優斗のアジトである路地----
優斗「....小春!小春!おーい!!」
小春「うーん....あーイテテテテ。」
優斗「起きた〜無事〜」
小春「あっ!あの子大丈夫だった!!」
優斗「大丈夫だよ。お金も返したし。」
小春「そっか良かった。....ごめんね。迷惑かけたね。」
優斗「小春も次からあんなのに絡んじゃダメだよ。」
小春「は〜い。」
少しふてくされた様に言う
小春「....優斗。そう言えば、」
そう言いかけた時、優斗に電話がかかってくる。
優斗「あっ!ごめん。
はい。あ〜永時さんか....殺しの依頼ですか?それなら後でゆっくり....あ、はい。わかりました向かいます。」
優斗は電話を切る。
優斗「小春ごめん。永時さんに呼ばれちゃった。」
小春「あ〜行ってきな。」
優斗は永時に呼び出された居酒屋に向かう。
----居酒屋----
優斗「あ、いた。」
永時「ん?お、きたきた。」
優斗「電話で言ってた...」
そう言って隣に座る。
永時「あ〜動いたよ。覇鬼道が...」