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星座たちの唄夜

作者: 碧
掲載日:2022/12/05


 ―ここは、とある神聖な湖。

 普段は物静かなこの場所で、今宵は何やら行われているようだ。

 少し覗いてみよう。


 今夜は、一年に一度の88の星座たちが集まる唄夜(うたげ)が開かれる日のようだ。

 湖のいたるところで様々に盛り上がっている様子。

 そんな唄夜を彩っているのは、琴座のライラと風鳥(ふうちょう)座のアプスだ。

 ライラはハープを演奏し、アプスはそのメロディーに合わせて舞い踊る。

 その様は、とても美しく眩い。

 彼女たちの演戯はこの唄夜(うたげ)の名物だ。


「カストル!ポルックス!唄夜(うたげ)の飯はまだか!」

 演戯を他所にそう叫んだのは、狼座のルプス。

 逞しい身体ともあって、彼の圧に足がすくみそうだ。

 彼は、食べることが何よりも至福らしい。

「うるさいな!今作ってるからちょっと待って!」

 ルプスに言い返したのは、双子座の兄、カストル。

 彼はとても気が強く、体格差のあるルプスにも怖気づかずに堂々としている。

「…っ。二人とも、喧嘩、しないで…。」

 口喧嘩をしている二人の仲裁に入ったのは、カストルの双子の弟のポルックス。

 彼はカストルとは正反対で気が弱いが、優しい心の持ち主だ。


 そんな三人の近くには、酒を飲みかわす者たちが二人。

 山羊座のカプリと獅子座のリオだ。

 唄夜(うたげ)の際、必ずこの二人は酒飲み対決をする。

「カプリ!今夜こそ負けねーからな!」

「リオ、そう言って、いつも僕に負けてるよ~」

 穏やかな雰囲気のカプリだが、意外にも酒に強いようだ。

「うるせぇ!勝負だ!」

「いいよ~」

 二人は、杯を傾けた。


 また、少し離れた場所で恋愛相談をしている者がいる。

「ねぇ。プロちゃん。人間に恋をしてしまった場合どうしたらいい?」

 相談しているのは、乙女座のヴィルゴ、心は誰よりも乙女な恋多き男だ。

 そんな彼にプロちゃんと呼ばれたのは、犬の姿の小犬座のプロキオンだ。

 星座たちは人の姿に近い者もいれば、彼のように動物の姿の者もいるようだ。

「それは、また難題ですね。」

「そうなのよ~。毎日ため息ばっかりついちゃう!」

「人間と恋仲になるのはご法度ですよ?」

「そうよね~。…プロちゃん!私の片思いの人の話、聞いてくれる?」

 

 彼らは、三者三様に楽しんでいる。

 ―唄夜(うたげ)はまだ、始まったばかりだ―


最後まで読んでいただきありがとうございます!


第4回なろうラジオ大賞の参加作品です。


作品を応募するというのは、初めてですが、

楽しんで読んでいただけたなら、幸いです(^^*)




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