星座たちの唄夜
―ここは、とある神聖な湖。
普段は物静かなこの場所で、今宵は何やら行われているようだ。
少し覗いてみよう。
今夜は、一年に一度の88の星座たちが集まる唄夜が開かれる日のようだ。
湖のいたるところで様々に盛り上がっている様子。
そんな唄夜を彩っているのは、琴座のライラと風鳥座のアプスだ。
ライラはハープを演奏し、アプスはそのメロディーに合わせて舞い踊る。
その様は、とても美しく眩い。
彼女たちの演戯はこの唄夜の名物だ。
「カストル!ポルックス!唄夜の飯はまだか!」
演戯を他所にそう叫んだのは、狼座のルプス。
逞しい身体ともあって、彼の圧に足がすくみそうだ。
彼は、食べることが何よりも至福らしい。
「うるさいな!今作ってるからちょっと待って!」
ルプスに言い返したのは、双子座の兄、カストル。
彼はとても気が強く、体格差のあるルプスにも怖気づかずに堂々としている。
「…っ。二人とも、喧嘩、しないで…。」
口喧嘩をしている二人の仲裁に入ったのは、カストルの双子の弟のポルックス。
彼はカストルとは正反対で気が弱いが、優しい心の持ち主だ。
そんな三人の近くには、酒を飲みかわす者たちが二人。
山羊座のカプリと獅子座のリオだ。
唄夜の際、必ずこの二人は酒飲み対決をする。
「カプリ!今夜こそ負けねーからな!」
「リオ、そう言って、いつも僕に負けてるよ~」
穏やかな雰囲気のカプリだが、意外にも酒に強いようだ。
「うるせぇ!勝負だ!」
「いいよ~」
二人は、杯を傾けた。
また、少し離れた場所で恋愛相談をしている者がいる。
「ねぇ。プロちゃん。人間に恋をしてしまった場合どうしたらいい?」
相談しているのは、乙女座のヴィルゴ、心は誰よりも乙女な恋多き男だ。
そんな彼にプロちゃんと呼ばれたのは、犬の姿の小犬座のプロキオンだ。
星座たちは人の姿に近い者もいれば、彼のように動物の姿の者もいるようだ。
「それは、また難題ですね。」
「そうなのよ~。毎日ため息ばっかりついちゃう!」
「人間と恋仲になるのはご法度ですよ?」
「そうよね~。…プロちゃん!私の片思いの人の話、聞いてくれる?」
彼らは、三者三様に楽しんでいる。
―唄夜はまだ、始まったばかりだ―
最後まで読んでいただきありがとうございます!
第4回なろうラジオ大賞の参加作品です。
作品を応募するというのは、初めてですが、
楽しんで読んでいただけたなら、幸いです(^^*)




