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ストレス  作者: AI子
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せめてノートパソコンだけでも持ち帰ろうとしたが、川元と部長に阻止された。会社の最寄り駅まで隣に川元を引き連れて歩いている。軽い鞄も川元が無理をさせられないと自分のものと一緒に持っている。手ぶらだ。平日の昼間に手ぶらで歩いているサラリーマンがどこにいるっていうんだ。まあ、ここにいるな。

「佐東部長って、○○駅でしたよね。」

「ほんとに、家まで送る気か?そこの駅まででいいよ。」

「いえ、責任持ってご自宅まで送り届けます。」

「お前の仕事があるだろ。」

「ご自宅まで送り届けるのがお前の使命だと部長から言われました。」

「部長が?」

 そういえばさっきも、帰ってまで仕事をするなとノートパソコンを取り上げられていた。

「昨日の外回りが、交通の便が悪いからってしばらく歩きだった場所が何箇所があったって言ってました。」

「まあ、確かに昨日はよく歩いたな。」

「無理して行かなくてもよかったのに采配がうまく出来なくて済まなかった、と言っていました。」

「采配というか俺にも責任がある。」

 外回りのリストは作ったのは自分で部長は確認するだけだ。俺がいけると思ったからそうしただけであって。

「無理をする性格だと言うことを加味するのを忘れていたとも、言っていました。」

「う、それを言われると。」

「もう三十路なんですから。」

「まだ29だ。」

「来月誕生日ですよね。」

「今月はまだ29だ。」

「それだけ受け答えが出来れば、明日には会社にこられますか?」

「治ってなくても行くに決まっているだろ。」

「しっかり、治してからきてください。」

「はいはい。」


改札口を入るとちょうど向こうのホームに自宅最寄り駅行きの列車が着いていた。しかし、走るのは危ないと川元に止められ次の列車を待つことになった。

ホームのベンチで連れ立って座る。朝は暖かかったが、昼も過ぎると風が冷たくなってきた。川元は自動販売機を見つけて小走りした。


「カフェオレでよかったですか?」

「おお、」

 いつもデスクに置いている同じブランドのカフェオレを渡された。こいつ、見ていないようで細かく見ているんだな。代金を払おうと思ったがポケットにはSuicaのみで、財布は川元に預けられた鞄の中だ。

「鞄をくれ。」

「カフェオレ代は気にしないでください。部長からもらっていますから。」

 なんだか、見透かされている。部長にも、川元にも。

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