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第5章 助け方
「へりおさん、あの時、何を言われた?」
「あの時は、親がどういうことをしているかという話をされましたね。」
へりおさんは冷静にそう言う。
「助け合いってスローガンは?」
「助けましたよ?」
トラちゃんは怒りの感情を隠し切れていない。ただ、抑えてへりおさんに質問を続けている。
「助け方は人それぞれじゃないですか。私は虐待が嫌だと言われ、助けを求められた。だから、その恐怖から逃れさせてあげただけです。」
そう話している横から割り込むように、すてがペンでへりおさんを強く刺した。
「すて!何してんだ!」
「こいつは俺らの仲間を殺したんだぞ!殺人鬼を刺して何が悪い!
お前らもこいつを殺してやりたいだろ!?少なくとも俺はそうだね!
こいつがっ...こいつ...」
皆はそれ以上止めるのをやめた。すても止まった。
でも、その時には、もう遅かった。