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第2章 その“万が一”が
あれから一日たったが、まだたまごは来ない。
「家に行ったんだけど、親が言うには“家出してる”だってさ。心配すらしてなかった。」
そういう家庭なのか、だから居なくなったのか、僕にはそう捉えられた。
「たまごは行くあてと言えば俺らしかないだろ。俺らが把握できてないって事は、どこかで寝泊まっているか、野宿しているかだな。」
すては冗談のつもりで言ったんだろうが、僕にはその可能性も捨てきれなかった。
「探しに行こう。まだ町内に居るなら、行けるところは搾られる。」
裏山になんて居るわけがない。そうすては言ったが、万が一のために、僕は来た。
皆は町中を捜している。
山の中腹当たりまで登ったときに、何か、弾力性のある物を踏んだ気がした。
恐る恐る足下を見ると、そこには、
・・・人が倒れていた。
見間違いだと信じたかった。しかし、半年もの間毎日見ていた“それ”を見間違えるはずもなかった。
「たま...ご...?」