婚約破棄をされましたが、彼を諦めきれません
「ナタリー・シャテルロー公爵令嬢を、この場を持って、聖女殺害未遂の罪で国外追放とする!」
ついにきてしまった、この瞬間。震える指先を隠すように、ぎゅっと握りしめる。
何度も、嘘であって欲しいと願ったけれど、神様は私の願いを聞き届けてはくれなかったようだ。
泣き出しそうになるのを堪えて、視線をあげる。きっと、明日からは見ることのない彼の姿を、最後に見ておきたかった。けれど、それはすぐに後悔することになる。
(そんな目で、私を見ないで……)
感情のない瞳で私を見下ろすかつての婚約者であるジョゼフ殿下は、私と目が合うと不快そうに眉をひそめた。その隣で、幼なじみのレオとエディが何も言わずに私を見つめている。
レオは複雑そうに、エディは悲しげな表情で。
(どうして、私たちはこんな風になってしまったの……?)
——『僕の幸せは君なしでは考えられない』
そう言ってくれたジョゼフの言葉を思い出して、私は涙をこぼした。
ついにきてしまった、この瞬間。震える指先を隠すように、ぎゅっと握りしめる。
何度も、嘘であって欲しいと願ったけれど、神様は私の願いを聞き届けてはくれなかったようだ。
泣き出しそうになるのを堪えて、視線をあげる。きっと、明日からは見ることのない彼の姿を、最後に見ておきたかった。けれど、それはすぐに後悔することになる。
(そんな目で、私を見ないで……)
感情のない瞳で私を見下ろすかつての婚約者であるジョゼフ殿下は、私と目が合うと不快そうに眉をひそめた。その隣で、幼なじみのレオとエディが何も言わずに私を見つめている。
レオは複雑そうに、エディは悲しげな表情で。
(どうして、私たちはこんな風になってしまったの……?)
——『僕の幸せは君なしでは考えられない』
そう言ってくれたジョゼフの言葉を思い出して、私は涙をこぼした。
プロローグ
2020/04/30 08:19
5年前・ティータイム
2020/04/30 08:21
5年前・初めての
2020/04/30 08:22
4年前・レオ
2020/04/30 08:22
4年前・ジョゼフ
2020/04/30 08:23
3年前・不安な入学式
2020/04/30 08:23
(改)
3年前・急転直下
2020/04/30 08:41
3年前・急転直下②
2020/05/01 23:52
3年前・悪夢の夕食会<レオ視点>
2020/05/02 00:02