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さればこそ無敵のルーメン  作者: 宗園やや
第二十三話
199/277

4

「トカゲめぇえ! テルラを飲み込んだりしたら、腹かっさばいてハラワタ細切れにしてやりますからねぇ!」


走りながら物騒な事を叫んでいるレイは、空を飛ぶドラゴンに向けて何度も手を突き出している。


「どうして、どうして光線が出ませんの? 前の街では、あれほど派手にネズミを蒸発させましたのに!」


「もしかして、テルラはピンチになっていないのかも知れないっスね」


レイに追い付くプリシゥア。

ミマルンは大きく重いシミターを腰にぶら下げているので追い付けないが、目標は巨大な上に黄金のボディが朝日を反射しているので見失う事は無い。


「良く見るっス。なんか、ゆっくりと飛んでないっスか? あのドラゴン」


旋回したり左右にぶれたりと、人間の足でも十分に追い付ける様に飛んでいる。

口に咥えられているテルラの姿も視認出来、表情は分からないが生きてはいる。


「言われてみれば……。まるで、いえ、確実にわたくし達をどこかに案内しようとしていますわね」


「テルラがピンチになれば光線は撃てるはずっスが、撃てても撃たない方が良さそうっスね」


「どうしてですの?」


「口に咥えてるだけっスから、攻撃して落としたら終わりっス」


「むむ。確かに」


「それにアレは街の守り神っぽいっスから、攻撃したところを目撃されたら問題になるっス。今はとにかくテルラを見失わない様にするのが一番っス」


レイとプリシゥアは全速力のまま下町に入る。

祭は何日か続くと言う話なので、金色の紙で出来たドラゴンの絵や山車があちこちに安置してある。

観光客が多かった頃はソレの出来を競っていて、上位にはご褒美が出たんだそうだ。

だから全て見事な出来なのだが、今はレイとプリシゥアの邪魔にしかなっていない。


「今すぐ門を開けなさい! 早く!」


上町に向かう門で足止めを食らう二人。

早朝なので門番は居らず、中からガッチリと鍵が掛けられている。

レイが通用口を叩いて叫んだが、人が動く気配は無い。

そうしている間に、上町の更に向こう、金山の方へと飛んで行くゴールドドラゴン。

壁に阻まれていても見える様にか、一番高い山の山頂に降り立った。

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