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さればこそ無敵のルーメン  作者: 宗園やや
第二十三話
196/277

1

星が降りそうな夜空の下、レイは焚火に木の枝を足した。

火が爆ぜる音。

虫の声。

獣や魔物の気配は無い。


「おつかれっス。交代するっス」


ふたつ並んでいるテントの大きい方からプリシゥアが出て来た。

伸びをして身体をほぐしている。


「何も起こりませんでしたわ。おやすみなさいまし」


簡潔に報告を済ませたレイは、腰の剣を外しながら大きなテントに入って行った。

昨晩は公爵邸の高級ベッドでゆっくり寝たので疲れてはいないが、寝不足は美容の天敵なので、何も言わずにいつも通りの交代時間を守った。


「ふあぁーあ」


レイが座っていた場所に座ったプリシゥアは、大あくびしてから薪の確認をした。

朝食を作る分以上の薪は確保してある。

焚火も大きいし、朝まで動く必要は無さそうだ。

水筒の水を少量タオルに滲み込ませ、眠気覚ましに顔を拭く。


「フフ。下街で子供達が何を食べているのかを聞いた時のレイとミマルンの驚いた顔、あの時のカレンとおんなじ顔したっスね。傑作だったス」


火を見ながら、プリシゥアは思い出し笑いをした。

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