第1話:プロローグ
遅くなってしまい申し訳ありませんでした。 次の話も早めに更新できるよう頑張りますのでご容赦を!!!
ある病院の一室のベットに少年は横たわっていた。少年の隣には、両親が、そして、ベットの辺りを忙しなく、看護師達が動き回っていた。 一定の早さで鳴る医療機器の隣では、両親と医者が話し込んでいた。
「···かな···ない···か···おね···」「···れ···うの···ち···う··は···」声が途切れ途切れで聞こえてくる。
どうやらもう、耳も聴こえなくなてきたみたいだ。。すると今度は、視界がボヤけてきた。
次に目が見えずらくなり、ボヤける視界の中で両親がうろたえるのがみえた。
同時に自分はもうすぐ死んでしまうだろう。そんなことが、分かってしまった。少年は最後の薄れゆく意識の中で「後少し、もうすこしだけでいいから、生きていたかった。」そう願いながら意識を失った。
それが、少年、日川 真の最後だった。
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(あれ?ここは···· どこだ?俺死んだハズじゃ···。) そう、考えていると不意に後ろから声が聞こえてきた。「あ、目覚めたんだね?よかった。」後ろを向くと20代くらいの男性が座っていた。
「ここはどこなんです?」とりあえず座っている人に質問をしてみる。そして周囲を見渡せば、上も下も 白一色の場所だった。そこにポツンとテーブルとイスがあるだけで他にはなにもなかった。
男性は「一種の異空間見たいな物だよ」と答えてくれた。意味がわからなかった。 もっと詳しい説明を聞こうと質問しようとすると、手で遮られ、のんびりと自己紹介を始めた。
「とりあえず自己紹介からだね。僕は世界神カズキよろしくね」 君の名前は?と神であるカズキさん聞かれ「俺は、日川 真です。 こちらこそよろしくお願いします?」そう、何となく答えると
「よろしくね。君の名前は知っていたけどやっぱり本人から直接話して貰うのは大事だからねー」
(さらりととんでもないこといってきたよこの人、いや神様何だっけ、だったら名前くらいはわかって当然かもしれないな。) そう声に出さずに考えると、カズキさんが、突然笑いだした。
「あははは!!今まで色々な人と話したけどこんなに落ち着いている人は君がはじめてだよ♪」
(まぁ、確かに普通だったら神って名乗る人にあったら、自分の頭を疑うか、相手が頭の可笑しい人だと思うかのどちらだろうな)
カズキさんはひとしきり笑った後、話しかけてきた。「さて、真落ち着いている君のことだ、君が何故ここにいるか何となくわかっているんじゃないかい?」
「俺はもう死んでいてそしてカズキさんにここに呼ばれた。その理由は俺に何か頼みたい事があるからそんな感じですか?」正解♪そういって、詳しい説明をしてくれた。
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話の間にちょいちょい小話を挟んで来たので大まかに纏めると、こんなことを言われた。
·俺は『神々の選定』というものに選ばれた。
·神々の選定は3000年に一度地球で亡くなった魂を選んで異世界に送り出すことのことを言う。
·その目的は信仰心を手に入れるため。曰く神は信仰心がないと存在していられなくなる。
·選定の基準は、魂の輝きの強さと死ぬ間際に渇望した願いの強さ
·俺が選ばれたのは死んだ魂の中で一番魂の輝きの強さと願いの強さが高かったから
カズキさんはそこまで話すと、俺の願いについて聞いてきた。(俺の願い··。願いは···)
「俺の願いは、後少しだけでもいいから生きていたかっただよ」そこで一度話を止め呼吸を整えて話始める。「俺は、生きていた頃現代医学じゃ絶対に治す事が出来ないって言われていた病気にかかっていたんだ。」
「16歳の10月、どんなに努力してもその日が限界だって医者に言われた。16歳の8月くらいから倒れて、病院のベッドで一日を過ごすことになった。」 「俺は、元気に動きまわれる人が、笑い会える人がすごく、羨ましかった。」 「でも、俺はどうすることも出来なくて段々と自暴自棄になっていてそのまま1ヶ月が過ぎていった。」 「9月の後半から体調が悪化して、意識をあまり保てなくなった。そして段々と目や耳が聞こえなくなったとき、思ったんだ。『後少しもう少しだけでも、いいから生きていたかった』って···」
俺はそう話すと、いつの間にか涙が溢れていた。
次の話は真が異世界に行くかどうかの選択からになります。