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異世界はハンドスピナーとともに

作者: 只野


「勝也くんおめでとう!」

「やったな、勝也!」

「悔しいが、今回は乾杯だ。だが、次の選手権では負けないからな!」


 家族や友人、ライバルが様々にお祝いしてくれる。


 俺は、ハンドスピナーで世界チャンピオンになった。


 そして、その後帰り道に事故で死んでしまった。




「ここは……」


 真っ白い空間、地に足がついているような感覚はあるのだが、地面は存在しない。浮いている。


「勝也さんですね」


 俺の目の前がぼわーっと滲んでいく。そして、巨大なハンドスピナーが現れた。


「は、ハンドスピナー?」


 俺はもちろん驚いた。


「勝也さんにはハンドスピナーに見えるのでしょうね。まあハンドスピナーの神だから当然なのですけれど」


「ハンドスピナーの神?」


「ええ、あなたのハンドスピナーに対する愛情、培った技術、努力、いろいろ鑑みて、生前の功績を称えて、特別なハンドスピナーを与えて、異世界へ転生させてあげることになりました」


「あー、まだまだ流行ってるよねー、異世界転生」


「これから行く異世界には魔物も多いです。剣などの武器、魔法にて、魔物を倒せる冒険者が尊敬され、大金を得られて、その人個人の資質によりますけれど、もてたりもします。ハーレムルートへの近道ですね」


「なるほど……」


「そういうわけで、あなたには転生特権、ハンドスピナー召喚のスキルを与えます」


「それってどんなの?」


「摩擦係数がゼロなので一度回すと止まらないハンドスピナーや、質量ゼロのハンドスピナー、スイッチを押すとピカピカ光って綺麗なハンドスピー、その他、もろもろ合わせて8000種を超えるハンドスピナー達です」


「それって異世界で役に立つのだろうか?」


「あと、スキルレベルを上げると、ハンドスピナーの合成召喚を行えるようになりますよ」


「例えば?」


「摩擦係数、質量ともにゼロのハンドスピナーとか」


「それって、異世界で役に立つのだろうか?」


「スキルレベルをもっと上げれば、3種類以上のハンドスピナーを合成召喚できるようになります。一度周り出すと永久に回り続ける質量ゼロで、重さが苦にならない、かつピカピカ光って綺麗なハンドスピナーとか」


「それって、異世界で役に立つのだろうか?」


「もちろん、異世界向けのハンドスピナーもありますよ」


「スピナーの周囲が鋭利な刃物で出来ており、投げると自動追尾で相手の急所目がけて一直線に飛んでいくハンドスピナー。事前に回転させておくことで、攻撃力はマシマシです」


「手裏剣」


「軽くて硬くて、さらに嘘のように薄い。鎧の表面に隙間なく張り付けると絶大な防御力を誇るハンドスピナー」


「スピン要素要りませんね」


「魔力をためるハンドスピナーもありますよ」


「ちょっとそれっぽい」


「火、水、土、風、光、闇。六属性それぞれに対応したハンドスピナーがあります。

回すと、魔力が溜まって、回した時間に応じて初級、中級、上級の魔法を放つことができます」


「役には立ちそうだけれど、ハンドスピナーをとってつけた感がすごい」


「お腹が減ってピンチの時には食べられるハンドスピナーもあります。栄養価は満点で、完全栄養食です。ただ、ちょっとぱさぱさしているので喉が渇くという欠点はありますが」


「喉が渇くのか―」


「ただ、それだけで生活していても、飽きがこないように、様々なフレーバーをご用意しております。ホウレンソウ味、蜜柑味など、素材の味をそのまま活かしたもの。醤油を付けたマグロ味、わさび醤油を付けたマグロ味。マグロの漬け味、マグロのカルパッチョ味、マグロマヨネーズ、マグロの甘露煮味、マグロステーキ醤油味、マグロステーキポン酢味、マグロステーキガーリックソース味、マグロステーキオニオンソース味、マグロの照り焼き味、マグロと良く合う白ごはん味など」


「マグロ多くね?」


「マグロは一例ですよ。様々な食材に様々な味つけを凝らしているので、全部で

7000種以上あります」


「8000種のうちだいたい食べられる奴?」


「まあ、そうですね。異世界って、強くても結局食べ物が合わずに文句言う方が多いですから。塩と胡椒ぐらいしか調味料ないんですよ」


「それはつらいなー」


「なので、普段は固形ですが、摂氏10度を超えると液状化してラー油になるハンドスピナーや、摂氏10℃以上では、めんつゆになるハンドスピナーも用意されてます」


「それって、もはやラー油とめんつゆ」


「モンスターテイマーを目指す人に向けて、魔物に食べさせると魔物が懐いてくるハンドスピナーもあります」


「桃太郎印の穀物の団子。岡山のやつ」


「頭上に取り付けて回すと、浮力を得て、そーらーを自由に、飛べるハンドスピナーもあります」


「久しぶりに回ることに意味があるやつきた。何コプターか知らんけど」


 あと、節回しが例のあれだったけど、今の若い子には通じないほうのやつ


「せーかーい旅行に、行きたい時ように、転移機能を持ったハンドスピナーというか、ドアあります」


 2番の歌詞!


「3番ですよ。2番はおもちゃの兵隊なので。まあ、それに対応した、自立行動できるAIを搭載した、小型対魔物用兵器ハンドスピナーもありますが。ざっくりいうと、Vガンダムに出てきた」


「殺戮兵器やん。あと、F91な。

 ハンドスピナーが万能なのはわかった。あとは欲しいのは家だな」


「家型のハンドスピナーもありますよ。ただ、中に入ると高速で回転するので遠心力が半端ないですが」


「住みにくい……」


「その他のハンドスピナーも呼び出せば目録が表示されるので、必要な時に必要なものをお使いくださいませ。それではお気をつけて、

 行ってらっしゃいませ」

どーでもいー話は2000文字ぐらいがちょうどいい。

オチをつけようとか思ったり盛り上がって来たりすると5000文字くらいは必要だけれども。

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