第6話 セリ先生はチートキャラ
セリ先生とはそれから、昼は戦闘訓練をして、夜は二人で村の警備をした。他の魔物の目がある時は何事もなかったかのように振る舞い、警備の時は技能のことを色々教えてもらった。
三日おきの技能の更新も忘れなかった。
そうして、全ての職業練度が5になったのだが、そこから全然上がらない。
現在のステータスが下である。
名前::アレク(忌み子)
年齢::5歳
種属::人類
職業::支援者Lv5
異世界人Lv5
技能生成者Lv5
技能::『忌み子』(U)
〈能動〉
なし
〈受動〉
技能暴走
絶対黒髪
『支援者』(SP35)
〈能動〉
能力上昇魔法初級
能力下降魔法初級
回復魔法初級
治癒魔法初級
防御魔法初級
激励魔法初級
〈受動〉
魔力上昇(中)
『異世界人』(U)
〈能動〉
ステータス不可視化
〈受動〉
相互交流
文字理解
体力上昇(大)
『技能生成者』(U)
〈能動〉
技能生成
技能改変
技能消去
技能看破
〈受動〉
技能重複
『解析』(SP100)
〈能動〉
能力看破
本質看破
〈受動〉
能力参照
『自動回復』(SP100)
〈能動〉
なし
〈受動〉
自動体力回復(微小)
数値::体力 118(+12)
攻力 110
守力 110
魔力 134(+7)
速度 110
SP 107/134
短い期間にしてはけっこう育ったのではないだろうか?
俺ヤバくね?超強くね?
そう思ってた時期が俺にもありました。
ある日、俺はセリ先生の数値を見ることにした。
いつもの戦闘訓練。相変わらずセリ先生は俺の攻撃を弾くだけなのだが、どのくらい数値があればそんなことが可能なのかと気になったのだ。
昼休憩になり、作戦(笑)を決行する。
「詠唱『我に力を示せ。能力参照』」
すると、以下のようなのが表示されたのだ。
名前::セリ(ネームド)
年齢::62歳
種属::蛇魔族
職業::魔人Lv14
数値::体力 9488(+7875)
攻力 9488(+7875)
守力 9488(+7875)
魔力 9488(+7875)
速度 9488(+7875)
SP 19
――見間違えかな?
――え?何これ?
――え?え?え?え?え!?
(オーケー、落ち着こう。落ち着け俺)
セリ先生強かった。超強かった。
(基礎値が四桁後半とか、補正分合わせたら五桁とか、もう尊敬しますよ。多分、一撃で――いや余波で俺死ぬよな、これ。補正分で俺何人分だよ)
と、ここまで考えてあることに気が付いた。
(あれ、セリ先生がSPを持ってる?)
全技能を把握しているわけではないが、SPをセリ先生が持っていることを俺は奇妙に感じた。
(関係あるのかな?いや、関係あるなら500とか持ってそうだよな。何だろう?)
考えても答えは出なかった。
その夜。
セリ先生の数値を見て気付いた。
俺、基礎値が小さい、と。
そして基礎値を上げるには、ジョブレベルを上げねばならない、と。
もはや夜の定位置となった切り株の上で俺は頭を抱える。
「――というわけで、悲しいけどレベル加速でも付けよう」
俺は新しく技能を作り始めた。
技能名::『練度加速』
内容::〈アクティブ〉
なし
〈パッシブ〉
職業練度が上がる速度を5倍にする。
SP1563
SPデカ!?ダメだ倍率を減らそう。
技能名::『練度加速』
内容::〈アクティブ〉
なし
〈パッシブ〉
職業練度が上がる速度を3倍にする。
SP14
これならいいな。これで生成。
――あ、そうだ。最近思ってたけど、同じ技能はまとめたり、(小)みたいな表記はパーセンテージにしたりできないかな?
『解析』を改変して――うん、SP120か。よかった作れる。
『回復』も更新しよう。
こうして、俺のステータスは一新された。
名前::アレク(忌み子)
年齢::5歳
種属::人類
職業::支援者Lv5
異世界人Lv5
技能生成者Lv6
技能::『忌み子』(U)
〈能動〉
なし
〈受動〉
技能暴走
絶対黒髪
『支援者』(SP38)
〈能動〉
能力上昇魔法初級(1%/1分)
能力下降魔法初級(1%/1分)
回復魔法初級(48)
治癒魔法初級
防御魔法初級(1~5人/3%/1分)
激励魔法初級(1~5人/3%/1分)
〈受動〉
魔力上昇(5%)
『異世界人』(U)
〈能動〉
ステータス不可視化
〈受動〉
相互交流
文字理解
体力上昇(10%)
『技能生成者』(U)
〈能動〉
技能生成
技能改変
技能消去
技能看破
技能譲渡
〈受動〉
技能重複
『解析』(SP120)
〈能動〉
能力看破
本質看破
〈受動〉
能力参照
『自動回復』(SP100)
〈能動〉
なし
〈受動〉
自動体力回復(1/3秒)
『練度加速』(SP14)X2
〈能動〉
なし
〈受動〉
獲得値倍化(3倍)
数値::体力 118(+12)
攻力 110
守力 110
魔力 134(+7)
速度 110
SP 134/143
加速したお陰か、レベルが上がってる。
よし、これで頑張ってみよう。
そう思って三日後。
「速くはなったけど……」
全てのジョブでレベルは1上がっていた。
ただ、今後のことも考えると、上がり幅は小さいように感じられたのだ。
これは――仕方ない。
俺は懐から板を取り出した。板には文字が刻まれている。
「『解析』の文言はここに記録したし、レベルだけならなくてもわかるし、仕方ない、今あるものは消して、作れるだけ『練度加速』にしよう」
計算すれば2倍を量産しまくるのがいいのだが、作れる個数にも制限がある以上、3倍を量産が妥当だろう。
結果を言えば、俺が新しく作ったのは7個だ。
体力の問題もあるし、続きは明日だ。
今のところ9個技能を作ったわけだけど、上限は何個だろう?
まあいいや、もう寝よう。
翌日、作ってみると12個が上限のようだ。
『支援者』技能に使ったSPも回収して確認した結果だが、なんとまあ、微妙だ。
そうして、たった1日だけ経った。
つまり次の日になった。
そして、数値がとんでもないことになった。
「どうしてこうなった……」
切り株の上で、俺はまた頭を抱えた。
レベルは上がっていた。数値も上がっていた。
その上がり幅が、予想以上だった。
名前::アレク(忌み子)
年齢::5歳
種属::人類
職業::支援者Lv20
異世界人Lv20
技能生成者Lv20
技能::『忌み子』(U)
〈能動〉
なし
〈受動〉
技能暴走
絶対黒髪
『支援者』
〈能動〉
能力上昇魔法初級(1%/1分)
能力下降魔法初級(1%/1分)
回復魔法中級(30)
治癒魔法初級
防御魔法初級(1~5人/3%/1分)
激励魔法初級(1~5人/3%/1分)
破砕魔法初級(1~5人/3%/1分)
障害魔法初級(1~5人/3%/1分)
補給魔法初級(10%)
〈受動〉
魔力上昇(5%)
『異世界人』(U)
〈能動〉
ステータス不可視化
世界渡航(8時間)
世界大全
〈受動〉
相互交流
文字理解
体力上昇(25%)
『技能生成者』(U)
〈能動〉
技能生成
技能改変
技能消去
技能看破
技能譲渡
技能干渉
技能促進
技能阻害
技能簒奪
〈受動〉
技能重複
『練度加速』(SP14)X12
〈能動〉
なし
〈受動〉
獲得値倍化(3倍)
数値::体力 662(+166)
攻力 426
守力 426
魔力 1138(+57)
速度 426
SP 84/1138
あれぇー?ジョブのマックスって20じゃなかったっけ?何でもうマックスになってるの?
てか加速幅は3×12=36倍じゃないの?どうなってるんだ?
ま、まあいい。これはうれしい誤算だ。
とりあえず『解析』と『自動回復』をもどして……どうせだから『解析』は改良して……
名前::アレク(忌み子)
年齢::5歳
種属::人類
職業::支援者Lv20(あと0)
異世界人Lv20
技能生成者Lv20(あと0)
技能::『忌み子』(U)
〈能動〉
なし
〈受動〉
技能暴走
絶対黒髪
『支援者』
〈能動〉
能力上昇魔法初級(1%/1分)(消費20)
能力下降魔法初級(1%/1分)(消費20)
回復魔法中級(30回復)(消費25)
治癒魔法初級(弱毒 弱麻痺)(消費15)
防御魔法初級(1~5人/3%/1分)(消費50X)
激励魔法初級(1~5人/3%/1分)(消費50X)
破砕魔法初級(1~5人/3%/1分)(消費50X)
障害魔法初級(1~5人/3%/1分)(消費50X)
補給魔法初級(10%)
〈受動〉
魔力上昇(5%)
『異世界人』(U)
〈能動〉
ステータス不可視化
世界渡航(再使用8時間)
世界大全
〈受動〉
相互交流
文字理解
体力上昇(25%)
『技能生成者』(U)
〈能動〉
技能生成
技能改変
技能消去
技能看破
技能譲渡(消費100)
技能干渉
技能促進(3倍/1分)(消費500)
技能阻害(10秒 再使用60秒)
技能簒奪(30%)
〈受動〉
技能重複
『自動回復』(SP1080)
〈能動〉
なし
〈受動〉
自動体力回復(9/0.5秒)
『解析』(SP340)
〈能動〉
能力看破
本質看破
〈受動〉
能力参照
魔力表示
獲得値表示
『練度加速』(SP14)X12
〈能動〉
なし
〈受動〉
獲得値倍化(3倍)
数値::体力 662(+166)
攻力 426
守力 426
魔力 1138(+57)
速度 426
SP 794/1138
今は14個が上限のようだ。
何か大量に技能増えたし、明日確認するか。
新出技能説明
激励魔法初級
1分間、複数対象(1~5)の与えるダメージを少し(3%)増やす。
破砕魔法初級
1分間、複数対象(1~5)の受けるダメージを少し(3%)増やす。
障害魔法初級
1分間、複数対象(1~5)の与えるダメージを少し(3%)減らす。
補給魔法初級
発動に消費した魔力の10%を対象に与える。
世界渡航
ダナス内に限り、一度言ったことのある場所に転移する。ただし、一度使うと八時間使用不可。
世界大全
元の世界とダナスの情報の一部を検索できる。
技能譲渡
所有者の技能を対象に譲渡する。ただし、譲渡できるのは(U)の付いていないものに限る。
技能干渉
対象の持つ技能を見る。
技能促進
対象の技能の効果を一分間3倍にする。
技能阻害
対象の技能を十秒間不活性化する。ただし、一度使用すると60秒間使用不可。
技能簒奪
対象の技能を30%の性能で奪う。奪える技能の数は職業練度で決まる。また奪った技能は一時間後に返還される。
自動体力回復(A/B秒)
B秒ごとに体力をA回復させる。
魔力表示
技能の消費魔力と効果を表示させる。
獲得値表示
次の練度上昇に必要な獲得値を表示させる。