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第4話 意外と制限が厳しい件について

翌日。


「体力は回復するみたいだな」


一晩経つと体力は回復していた。


「これなら一日二、三回までなら使えそうだな」


『アレクアレクー』


そこへサニアの声が聞こえた。


『ママがアレク呼んできてーって』


「セリ先生が?」


何だろう?

サニアに連れられてセリ先生のもとへ。

セリ先生は外の広場にいた。


『ママー』


「あらサニア。アレク君もおはよう」


「おはようございますセリ先生」


セリ先生は身の丈を超える長さの大きな薙刀を持っていた。


「朝ご飯はそこにあるから、それを食べたら始めましょう」


「始めるって、何をですか?」


「戦闘訓練よ。今日からやるって言ったじゃない」


「あ、こんな朝早くからやるんですね」


「そうね。だから頑張ってね。ある程度鍛えれば多分『支援者』と

しても活動できると思うから」


「了解です」


『ママ私はー?』


「サニアは向こうで魔法の練習ね」


『わかったー』


サニアはスルスルと行った。




俺はサンドイッチを一切れ食べ終わった。


「それでセリ先生。訓練て何をすればいいんですか?」


「ええ。まずはこれ」


セリ先生が俺に木の棒を渡した。


「それを使って私を攻撃しなさい」


「これを使って先生を――え?」


攻撃しろって?


「攻撃しろって、大丈夫なんですか?」


「大丈夫よ。そんな程度で傷ついたりしないから」


まだ混乱しているが、まあ大丈夫なんだろう。


「じゃあ――えい!」


俺はセリ先生を棒で殴りに行った。

それをセリ先生は薙刀の柄で弾く。

俺が木の棒を振るう。

セリ先生が柄で弾く。

振るう。

弾く。

振るう。弾く。振るう。弾く。

それがどれだけ続いただろう。いつの間にか日は傾いていた。


「そろそろ休憩しましょうか」


「ハア、はい、ハア……」


スゲー、セリ先生スゲー。

まだまだ余裕そうだよ。


「はいアレク君」


セリ先生がサンドイッチを一切れくれる。遅い昼食だ。


「あり、がとう、ございます」


俺は地面に座り込んだ。

改めて周りを見てみると、建物らしい建物が本当に少ない。

孤児院も完全な木造で、他にパラパラ見える建物も多分鉄やコンクリートなど使っていないだろう。

一番大きい『魔王城』でさえ、日本の一軒家と同じくらいの大きさだし。

てか、魔王の話って聞いたことないな。魔獣や魔人たちを統べる王様が魔王だけど、あの様子じゃあ権力小さそうだよな。それとも謙虚なのかな。

そういえば、俺以外に忌み子って見たことないな。いるのかな?

まあいいや。

俺はサンドイッチを口に入れ、ステータス画面を開いた。


名前::アレク(忌み子)

年齢::5歳

種属::人類

職業::支援者Lv2 

    異世界人Lv2 

    技能生成者Lv2

技能::『忌み子』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

      技能暴走(スキルアウト)

      絶対黒髪(ブラックス)

    『支援者』

     〈能動〉

      能力上昇魔法初級(マイクロバフ) 

      能力下降魔法初級(マイクロデバフ) 

      回復魔法初級(マイクロヒール)

      治癒魔法初級(マイクロキュア)

     〈受動〉

      魔力上昇(微小) 

    『異世界人』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

      相互交流(インターアクト)

      文字理解(リテラシー)

      体力上昇(中)

    『技能生成者』(U)

     〈能動〉

      技能生成(スキルメイク) 

      技能改変(スキルオルター) 

      技能消去(スキルデリート)

      技能看破(スキルリビール)

     〈受動〉

       なし

    『解析』(SP100)

     〈能動〉

      本質看破(リアルヴィジョン)

      能力看破(ナンバーアウト)

     〈受動〉

      能力参照(ステータスナンバー)

数値::体力 103(+6)

    攻力 102

    守力 102

    魔力 107(+1)

    速度 102

    SP 50/107


あれ、ジョブレベルが上がってる。

文字理解(リテラシー)』って、文字もわかるようになっちゃったか。あ、でもそれ書けるのかな。


文字理解(リテラシー)

 何語であろうと文字を理解し、読み書きができる。


あ、書けるんだ。

技能『異世界人』、便利だな。

『支援者』ジョブって、戦っても成長するんだ。

何だろう、ジョブが成長する要因がわからない。


「セリ先生。ジョ――職業ってどうしたら成長するんですか?」


「そうね、職業の技能を使えば成長するみたいよ。戦闘職とか支援職とかの、戦場で使うような職業は戦っても成長するみたいだけど」


そうすると、『異世界人』ってどうやって成長するんだろう?というか、何で成長したんだろう?


「さあ、そろそろ始めましょう」


「はい」


俺は再びセリ先生に殴りかかった。




訓練は夜まで続いた。

結局セリ先生の余裕は崩せず、その上セリ先生は他の子たちに喝を飛ばす程だった。これが意外と怖かった。

またみんなが寝静まったのを確認してこっそり外へ出る。


「この忌み子スキルをどうにかしたいよな……」


候補は二つ。

一つは受けた分をパッシブスキルで回復してしまうこと。

もう一つはダメージの行き先を変えること。

前者は自動回復とか、できるのなら受けた分回復とか。

後者はダメージを敵に付け替えられればかなり強力じゃないか?

ものは試しだ。

まずは後者の、ダメージ先を変えることから。


「『所有者の技能によって所有者自身がダメージを受けるのなら、そのダメージを任意の対象に与え、所有者にはダメージを与えない』……って」


技能名::

 内容::〈能動〉

       所有者の技能によって所有者自身がダメージを受けるのなら、そのダメージを任意の対象に与え、所有者にはダメージを与えない。

     〈受動〉


 SP5000


SP5000!?しかも赤い字で書かれてるし。ダメだこれ。

というか、SPってどうしたら増えるんだろ。

確か、ジョブレベルが上がった時少し増えてたっけ。てことはジョブ上げないと増えないか……5000っていつ到達するんだろ。

まあいいや。次は……


技能名::

 内容::〈能動〉

       所有者の技能によって所有者自身がダメージを受けるのなら、そのダメージ分所有者を回復する。

     〈受動〉


 SP4500


SP4500……これも高いなぁ……時間制限を付ければいいかな?


技能名::

 内容::〈能動〉

       

     〈受動〉

       所有者の技能によって所有者自身がダメージを受けるのなら、5秒後にそのダメージ分所有者を回復する。

 SP4450


あ、ちょっと減った、けどまだ高いなぁ……

やっぱり、一番現実的なのは自動回復かな。


技能名::

 内容::〈能動〉


     〈受動〉

       10秒ごとに所有者の体力を5回復する。

 SP150


おお!これはかなり現実的ではないか!

10秒じゃなくて15秒ならどうだ。


技能名::

 内容::〈能動〉


     〈受動〉

       15秒ごとに所有者の体力を5回復する。

 SP100


おお!ピッタリ100!字も赤から黒に戻った!

これで、忌み子で受けたダメージは1分で全回復だぜ。

――1分かぁ。戦闘時は微妙だなぁ。ま、でも仕方ないや。これで作っちゃえ。技能名は普通に『自動回復』でいいや。


名前::アレク(忌み子)

年齢::5歳

種属::人類

職業::支援者Lv2 

    異世界人Lv2 

    技能生成者Lv2

技能::『忌み子』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

      技能暴走(スキルアウト)

      絶対黒髪(ブラックス)

    『支援者』

     〈能動〉

      能力上昇魔法初級(マイクロバフ) 

      能力下降魔法初級(マイクロデバフ) 

      回復魔法初級(マイクロヒール)

      治癒魔法初級(マイクロキュア)

     〈受動〉

       魔力上昇(微小) 

    『異世界人』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

      相互交流(インターアクト)

      文字理解(リテラシー)

       体力上昇(中)

    『技能生成者』(U)

     〈能動〉

      技能生成(スキルメイク) 

      技能改変(スキルオルター) 

      技能消去(スキルデリート)

      技能看破(スキルリビール)

     〈受動〉

       なし

    『解析』(SP100)

     〈能動〉

      能力看破(ナンバーアウト)

      本質看破(リアルヴィジョン)

     〈受動〉

      能力参照(ステータスナンバー)

    『自動回復』(SP100)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

      自動体力回復(微小)(マイクロヒールオート)

数値::体力 88/103(+6)

    攻力 102

    守力 102

    魔力 107(+1)

    速度 102

    SP 100/107


無事技能が増えて、体力が減った。ただ悲しいな、(微小)って付いたよ。

俺はそこから15秒数えてもう一度ステータス画面を見る。


数値::体力 93/103(+6)

   攻力 102

   守力 102

   魔力 107(+1)

   速度 102

   SP 100/107


ちゃんと回復してる。よしよし。

ってあれ?SPが――どうなってるんだ?100、100ね……

まあいいや、次だな。

技能改変(スキルオルター)』によれば、(U)が付いてない技能なら改変できるんだよな。ならこの『支援者』技能を改変してみよう。

例によって、何十回も呟くと頭に自然と言葉が浮かんできた。


詠唱(Ou=μλγλσ)力無きものに(Θοττα)価値はない(Μξρσ)無意味なものに(Θετσ)価値はない(Νφτε)さあ転ぜよ(Ρκντ)志保ちし者よ(Νμπδ)弱さを捨てて(ΑπρτΔβλσ)再起せよ(Ρεζρεσχσ)技能改変(スキルオルタ―)』」


すると「改変する技能を選んでください」という表示が。

俺は『支援者』を選ぶ。すると


技能名::『支援者』

 内容::〈受動〉

       能力上昇魔法初級(消費魔力20)

         対象一体の能力を1分間1%上昇させる。

       能力下降魔法初級(消費魔力20)

         対象一体の能力を1分間1%減少させる。

       回復魔法初級(消費魔力10)

         対象一体の体力を10回復させる。

       治癒魔法初級(消費魔力15)

         対象の弱麻痺・弱毒状態を治す。

     〈能動〉

       魔力上昇(微小)

         魔力がほんのちょっと(1%)上がる。

 SP0


ほっほう。そういえば『支援者』スキルの詳細って見たことなかったな。勝手に説明が表示されるのか。

変えられそうなのは数字の部分だけだな。他は、SPが大きく必要な予感がする。

まずパッシブを変えよう。


      〈能動〉

       魔力上昇(微小)

         所有者の魔力を少し(5%)上昇させる。

 SP16


増えた。あとは他もちょっと上げてみて……こんなものかな。


技能名::『支援者』

 内容::〈アクティブ〉

       能力上昇魔法初級(消費魔力20)

         対象の数値を1分間少し(3%)上昇させる。

       能力下降魔法初級(消費魔力20)

         対象の数値を1分間少し(3%)下降させる。

       回復魔法初級(消費魔力10)

         対象の体力を21回復させる。

       治癒魔法初級(消費魔力15)

         対象の弱麻痺・弱毒状態を治す。

    〈パッシブ〉

       魔力上昇(微小)

         所有者の魔力を少し(5%)上昇させる。

 SP35


回復が微妙なのは、これが限界だからだ。何で35までしか上がらないんだろ?

まあいいや。俺のステータスはこうなった。


名前::アレク(忌み子)

年齢::5歳

種属::人類

職業::支援者Lv2

    異世界人Lv2

    技能生成者Lv2

技能::『忌み子』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

       技能暴走(スキルアウト)

    『黒髪』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

       絶対黒髪(ブラックス)

    『支援者』(SP35)

     〈能動〉

       能力上昇魔法初級(マイクロバフ) 

       能力下降魔法初級(マイクロデバフ) 

       回復魔法初級(マイクロヒール)

       治癒魔法初級(マイクロキュア)

     〈受動〉

       魔力上昇(中) 

    『異世界人』(U)

     〈能動〉

       なし

     〈受動〉

       相互交流(インターアクト)

       文字理解(リテラシー)

       体力上昇(中)

    『技能生成者』(U)

     〈能動〉

       技能生成(スキルメイク) 

       技能改変(スキルオルター) 

       技能消去(スキルデリート)

       技能看破(スキルリビール)

     〈受動〉

       なし

    『解析』(SP100)

     〈能動〉

       本質看破(リアルヴィジョン)

       能力看破(ナンバーアウト)

     〈受動〉

       能力参照(ステータスナンバー)

    『自動回復』(SP100)

     〈アクティブ〉

       なし

     〈パッシブ〉

       自動体力回復(微小)(マイクロヒールオート)

数値::体力 86/103(+5)

    攻力 102

    守力 102

    魔力 107(+5)

    速度 102

    SP 107/107


微小が中になってる。体力減ってるし、魔力が107(+3)になってるし、多分大丈夫だろう。

でも、ジョブレベルが上がらないな。ジョブ名注視しても何も表示されないし、よくわからないなぁ。

技能を使いまくればレベルは上がる、て言われても、どんぐらいやればいいか……法則とかないかな?やってみればわかるかな?

なら実験あるのみだな。今はできなさそうだけど。

やることもないし、もう寝よう。

新出技能説明


治癒魔法初級

対象の弱麻痺・弱毒状態を治す。


文字理解

何語であろうと文字を理解し、読み書きができる。


自動体力回復(微小)

1分間に体力を20回復させる。


魔力上昇(中)

魔力が少し(5%)上がる。


(魔力上昇(小))

魔力がちょっと(3%)上がる。


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