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第一話 柚子の話

 はい、じゃあ、始めますね。私が持ってきた話は、ある母親のお話です。


 その母親は香代子というんですが、とても貧しくて、十代前半ぐらいの小さな娘を置いて、入院していたんです。まともなものも食べられていなくて衰弱していたんですね。

 それに加えて、入院したことで娘と合える時間も少なくなって、精神的にも追い詰められていたんです。


 __え? 娘さんの名前? うーん、そこまではわからないです。


 えっとそれで、精神的におかしくなった香代子さんは、夜に病院の周りをフラフラ出歩いて、娘の飼っている黒猫と一晩中じゃれて遊んだり、__それも大の大人が。

 それから、毎晩一人二人、目に付いた人を無差別にナイフで殺していったんです。

 そして、死んだ人の血をコップいっぱいに入れて、病室に持って帰ったんです。


 これだけでも、十分狂気的(ルナティック)ですよね? しかも、それだけ人を殺しているのに、全く捕まらない。

 でもこれだけじゃないんです。


 もって帰った血を、病室の窓辺に飾られていた白い薔薇に塗りつけて、赤黒い薔薇にして、何事も無かったかのように眠っていたんです。


 そんなことをルーチンワークのように毎日続けている人が……実はすぐそこの病院の入院患者……なんておちです。


 どうか、夜中にはあの病院周辺には近寄らないようにしてくださいね。


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