表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3

時間がないのでもともと1話がみじかいのにさらに短い。

                  ○


考えていてもわからないことはわからない。とにかく沙耶に訊いてみるしかない。

「ひさしぶり、沙耶!」

「ああ、久しぶり、香織。」

「あのさ、訊きたいことがあるんだけどさ、」

「…?勉強のこと?」

そう思われてもしょうがない、っていうか勉強のことで聞きたいこともあるけど、今私が訊こうとしてるのは違う。

「そうじゃなくて、私が訊きたいのはさ、沙耶ってさ、椿泉に受かったんだよね?」

椿泉の名前が出た途端、沙耶の顔がこわばった。やっぱり椿泉でなにかあったんだ。

「なのになんで沙耶は綿中にい」

「言いたくない!」

沙耶が立ち上がり、すごい怖い顔で私を睨んだ。

「黙れ。二度とその話をするな。」

「あの、沙耶…」

「気分が悪くなった。悪いけど先生に次の授業の間は保健室にいると伝えておいて。」

沙耶はそのままドアを開けて教室を出て行ってしまった。

「このアホ!」

「うぇっ!?」

樹音に丸めた教科書で頭をスパンと殴られた。

「いったいよ樹音…。なんで殴るの~?」

「なぁぐるのぉ~?じゃないよ!香織が頭悪いのは知ってたけどここまでとは…」

「ちょっと待ってよ、私、『なぁぐるのぉ~?』なんてキモい言い方してないよ!」

「抗議するポイントそこかい…そりゃあんなこと言うわ…」

樹音が頭を抱える。

「あんたさ、なんで沙耶が綿中に来たのかわかんないの!?」

「それがわかんないから訊いたんだよ!」

「ああ!もう!なんでわかんないかな!いい、よく考えてみて、常識的にうちと椿泉、どっちも行けるならどっちに行くよ?」

「椿泉じゃない?」

まあ、私はついていける自信ないから行かないと思うけど。

「よし、そこまではいいね?で、沙耶はその椿泉に受かったわけでしょ?」

「うん」

「なのになぜかうちに転入してきた」

「うん」

「理由は2つ考えられる。1、勉強についていけなかった。これはありえない。沙耶は常に模試で全国100位以内に入ってたから。沙耶は努力家だから、中学入ってから成績落ちたとか考えにくいし。」

「じゃあ、もういっこの理由は?」

「だーかーら!それがなんなのか香織にはわかんない…んだよなあ、あのさ、中学生で、転校するようなことっていえばさあ、」

「私はいじめられてなんかない」

教室の入り口には、沙耶がさっき私をにらんだ時以上に怖い顔をして立っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ