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初めまして。べにあずまと申します。初めて小説投稿サイトに投稿するくせに連載をしようとしています。アホです。
星野源さんが大好きなのですが、先日みるきーさん@milk___genという方の「Friend Ship」の歌詞解釈が素敵すぎてそれと元曲ともともと脳内で考えていた小説のネタをドッキングさせるという暴挙に打って出ました。
そんなにバンバンは投稿できませんが月に2.3回はしたいなあ、と…思ってはいます。「は」。
女の子のちょっとめんどくさい友情ものにしたいな。できるかな。
○
桜の花が緑色の若葉に変わりかけている5月。
その若葉の間から、長い黒髪を揺らす、一人の少女の姿が見えた。
「…あ」
「?どうしたの香織?」
「アレ、沙耶じゃない?」
「…は?こんなとこにいるわけないじゃん。デッサン狂うからこっち向いて。」
樹音はキャンバスから視線すら動かさずに言う。
「はいはい、ごめんごめん。でもさ、モデルって退屈なんだもん。」
「それはアンタがじっとしてないから。」
「…はーい」
確かにこんなところに沙耶が来るわけない。きっと勘違いだったんだ。
○
「いや、やっぱり一晩考えたけどアレは沙耶だった。そうだよ。」
「…まだ言うかね。ちょっとさ、このアホを説得してくんない?」
樹音は呆れたように言い、私達と同じ小学校だった玲奈を呼んだ。
「香織の気持ちはわかるけどさあ…いい?香織、沙耶はどこの中学に通ってるの?」
「私立椿泉学園」
「即答しやがったな…じゃあ、私たちが通っているのは?」
「…く、区立…綿沢中学校」
「椿泉がどんな学校なのかは知ってるよね?」
「…はい」
「そして綿中がどんな学校なのかも。」
「…はい」
わかっている、わかっている。けれどそれでもあれは絶対に沙耶だった。
絶対に会いたいが故の幻なんかじゃなかった。
「じゃあそろそろHR始まるから、席つかないと」
「えっ、ちょ…」
そういって玲奈と樹音は自分の席に戻って行った。ベルが鳴り始め、私も慌てて自分の席に戻る。
「はーいお前ら静かにしろー」
ドアががらりと開き、担任の小野先生が入ってきた。
「HRの前に、転校生の紹介だ。入ってこい。」
転校生は、長い黒髪を揺らして教室に入ってきた。
「あ…」
玲奈が声を上げた。樹音が私の方を振り向く。
入ってきたのは、
「長岡沙耶です。よろしくお願いします。」
私の自慢の親友だった。