あいおーん
星麗の森を目指す
しかし歩き始めて5分マァクラに電流走る!
「あ,ドラゴンのせいで気絶してた・・・場所,しらない」
門番に聞こう・・・
「お,早いな!モンスターでも見つけて引き返してきたか?」
「いや,星麗の森の場所しらなかった,教えて」
「ははは!本当かよ!森の場所知らない奴がいるとは思わなかったぞ」
「前行ったときは寝てたから覚えていない」
「そっかそっか星麗の森ならここから南,あっちの方角だぞ」
ふむちょっと違ったか・・・・
「ありがと,今度こそ行ってくる」
「おう,行ってらっしゃい」
いい天気だ,ぽかぽかして眠たくなる,
ちょっと歩いたら木陰で一休みしよう・・・
街道沿いの木陰には小動物が眠りこけている
植物や木々は新緑に染まっていて
星麗の森とは少し違う雰囲気だ
空にはゆっくりと流れる雲
嫌いじゃない
あまり派手でない木製の門
あそこが森の入口か
どこかで見たような記憶がある
気持ちよさそうな若草色の芝生にぽかぽか陽気
ふむ眠くなってきた
ご・ろーん(大の字)
ああ,お休み
此処はダイケン王国冒険者ギルド内会議室
受付に数人残し,夕方毎日行われる定時会議
今日は遅れてきたギルドマスターから耳を疑う言葉が出される。
「えぇー!星麗の森が冒険者ランクB以上の時限特定危険区域に指定されたー!?」
「これは先日なんだが,星麗騎士たちが王級のドラゴンと対峙したらしい,その時は命からがらで済んだらしいが」
「王級のドラゴンが住み着いているんですか?」
「いや,王級であればAランク以上,いやSランク以上に指定されるだろう」
「じゃあどうしたって言うんですか?」
「今回確認されたのは番いだ,弩級ドラゴンの番いの存在が見受けられるらしい,下位ランクの冒険者ご用達の森だ,カレットいきなりで悪いが,今すぐ全ランクの星麗の森内での依頼を引き下げ,並びに星麗の森に向かった冒険者を調べてくれ,それとBランク以上の緊急招集頼むぞ」
基本的に星麗の森は日帰りだ,今日受付を担当した人間だけで顔を合わせる,ここにはいない,マァクラちゃんが確か星麗の森薬草採取に向かったはず
後は受付に残した子に聞くだけだ。
急いで会議室を出て受付に戻る
「みんな今日受付した中で星麗の森に関する依頼を持って行った冒険者はいる!?」
「ハイ,薬草採取でしたら1名星麗の森に向かわせましたが・・・いったい「その冒険者の依頼達成報告は!?」いえまだですけど・・・」
やっぱり!
「ごめんなさい今説明している暇はないの,今すぐ星麗騎士に連絡を取って,それとB級以上の冒険者を片っ端から集めて,ギルドマスターから緊急の依頼よ!」
ん,寒いちょっと暗くなってきた・・・・
それとちょっと臭いぬとぬとする
ぬとぬと?
大きい影・・・・あドラゴン・・・
たくましい腕が迫ってくる
「あ」
ボキッ変な音が聞こえた気がする
痛い,すごく痛い,全身に鈍痛が走る
「うぇえ・・・」
胃の中のものがあふれ出てくる
大きな口に鋭い歯
長い舌
食べられる?
「いや,死にたくない,うちおいしくない」
視界が黒く染まった
ガタガタガタガタ
いつ乗ってもこの感覚は好きになれない
それに今ここには24人が集まっている
少し狭い
星麗騎士2名
A級冒険者8名
B級冒険者14名
しかしこれだけの人数が1時間足らずで集まってくれてよかったと思う
弩級ドラゴンの存在確認とできるであるなら,討伐撃退だ
本当に良かった
人里近くに現れるとはいい迷惑だ
もうすぐ着く,マァクラという少女無事でいてくれ・・・・
しかし視界には
黒い大きな影と飛んでいく小さな影が見える
「遅かったか!,弩級ドラゴン確認!全員戦闘態勢に入れ!今は1匹しかいないが番との情報だすぐに駆けつけてくるはずだ,最初から全力速攻で首を苅落とすぞ!」
ドラゴンの頭が少女に近づく
クソ!
眼の前なのに届かない
「やめろぉおおお!」
森の奥からもう一つ影が見える
しまった,迂闊だった,私の大声で呼び寄せてしまったか
「星麗騎士で囮になる,その間に一匹たのっ!」
突然のプレッシャーと共に馬車が横転する
心臓が潰されそうなほどのプレッシャーなんだこれは
数名の人員は気絶してしまった
敏感である馬は絶命してしまったかもしれない
『マァクラの精神遮断を確認,基本骨構成205本ののうち30本の破損紛失内臓器官2割の損傷を確認ウリエル発動・・・修復完了,外敵からの攻勢反応を確認,コスモスへの接続, 接続完了アイオーン覚醒します』
声のした方向に目を向けると少女が立っている
少女の無事に一瞬安堵するも戸惑う
「我の初めての完全現界が戦闘か,つくづくついていないらしい」
少女の傍らにはには黒くて大きな腕ドラゴンの腕が寝そべっている
対面しているドラゴンの右腕がなくなっていることからそうだと確信できる
「君はいったい・・・」
ドラゴンの口元が熱により微かに歪んでいるのが見える
「ブレスが来るぞ!よけろ!」
一瞬で少女とその周辺が炎に包まれる
追い打ちと言わんばかりに忘れていたもう一匹のドラゴンからもブレスが吐かれる
「小賢しい真似を・・・・『星の息吹よ!』」
そう聞こえた
暴風が吹き荒れ一瞬で炎が霧散する
炎が霧散した場所には少女が無傷で立っていた
「おいおい,マジかよどうなってるんだありゃ,夢でも見てるのか」
ほとんどの冒険者今の状況に混乱している
むしろ混乱しない者などいないだろう
ドラゴンに攻撃されてしまえば死ぬそれが常識だ
グルルとうなる2匹のドラゴンと対峙する少女
「我に攻撃したんだ,引導を渡してやろう」
少女からは魔力は全く感じないなのにその手には火の玉が出ている
「本当の炎を見せてあげよう,『始まりの赤よ!』」
少女のものとは思えない圧力が降り注いでくる
手の炎がまるで光の玉のように光り輝いている
『アグニレイ』
少女の手の炎が消えたと思ったら,ドラゴンの足元に魔法陣が浮かびあがり光の柱が立ち上った
光の柱は天を貫いた,何だこの魔法は
十秒程度であろうか,光の柱は徐々に収縮していき,目を疑う光景が広げられる
いなくなっていたのだ,ドラゴンが鱗一枚残すこともなく完全に消滅した
少女が少しその場を眺めてトコトコこちらに歩いてきたもうプレッシャーは感じない
「うぉおおすげーじゃねーか嬢ちゃん!なんだよあの魔法は!」
「あれは始まりの星の魔法」
「なんだそりゃよくわからんけど凄そうだな」
少女がこちらに近づいてきスンスンと私の臭いお嗅ぎ出す
当然の行動に驚愕する
「なぜシーリウスの臭いかいでいるんだい?」
少女はひとしきり私の臭いを嗅いだ後,隣の禿基フルドの臭いも嗅ぎ出した
「やはりアダーラの臭いがするな,我はちょっと力を放出して疲れた,この子のことよろしく頼む」
突然少女がそう伝えフラッと倒れかかってきた,ゆすってみるが反応がない
「おいしっかりするんだ!」
「一応息はしている,急いで王都に戻ってとりあえず気絶している人を運ぶために馬車を呼んで来よう」
少女は小さくいびきをかいている,どうやらただ寝ているだけのようだ