おうととまりょく
少しお話が進みます
賑わう町を二人で歩きながら話し出す。
「他の3人は?」
「あぁ,ムルジムさんとウェズンさんとムリフェインさん?大丈夫だよ青い炎でかなりひどい傷だったけど意識もしっかりしていたし,その場で回復薬をムルジムさんに無理やり飲ませて,皆に治癒魔法かけてもらったんだ,そのごめんね庇おうとしたんだけど間に合わなくって・・・・けどマァクラに怪我がなくてよかったよ,目を覚まさなかったからビックリしたけどね」
あの青い波は炎だったのか
「そう,よかった・・・・」
「マァクラにはもしかして少しどころか凄く火と相性がいいのかもね」
アダーラが特に人の出入りが多い場所を見つめながらそういう
少し大きめの建物のようだ,昨日アダーラやムリフェイン達が着ていた服に似ている服を纏っている人が多いようだ。
「あれ・・・何?」
指をさし尋ねる
「あぁ!あれは言ってなかったかも,あれはね冒険者ギルドって言ってね,いろんな人が困ったことや,やってほしい事を依頼して報酬を決めて,お互いにwin-winの関係になれるかな?って思った冒険者たちが依頼を受けて,自分のご飯の食い扶持を集めるところかな?簡単に言えば短期アルバイトの斡旋所なのかな・・・ごめんね説明下手で」
「なんとなく分かる・・・ありがと・・・」
「でもね夢のある仕事でもあるんだよ,ギルドカードはいろいろ便利だし,各地を転々と旅しながら働けるし,ランクの高い仕事になればお金も沢山もらえるし,レアな装備も作れるんだ,いい出会いがあればそこにずっといてもいいし」
「ランク?旅?」
「そうそう,旅ってのはあれ,一緒に森を歩いたでしょ?あんな風に世界各地を見ながら目的地や自分のやりたいことをやるみたいな感じかな?ランクはEからSまであって一番下のランクがEね,討伐依頼や,依頼によっては危険な場所にも立ち入らないといけない,経験の浅い冒険者や戦闘能力の低い冒険者には荷が重いからね,下手するとぽっくりお陀仏ってことになってしまうからね,だからランク制度を設けているのさ,一応あたしたち星麗騎士はギルドには入ってないけどBからAクラスの実力はあるそうだよ,まぁ王級ドラゴンに瞬殺されかけたけどね・・・・」
「アダーラじゃドラゴンには勝てない?皆でも?」
「みんなでなら弩級ドラゴン位には勝てるかもしれないね,他のモンスターにはそういった個体ごとにランクはないだけど,ドラゴンだけは別,知能が高くて力もあり体力もある,まさに全生物の頂点まぁ数が少ないのだけが救いだね,Sランクの冒険者でも5人集まって王級一体に相手どれるかどうかだと思う・・・・今回見逃して貰えたのは運が本当に良かったと思う」
アダーラの話ではドラゴンには2等級,1等級,弩級,越えられない壁≪≪≪≪王級,獄級といるらしい冒険者でもAとSには差があるようだ。
とにかく弩級以上には立ち向かわない,これに限るらしい
それにしても旅かいい響きだ
「ついたよー!」
アダーラが話しかけてくるうちに目的地に着いたようだ
大きな門に人が3人立っている。門番というらしい
「これはアダーラ殿お疲れ様です,そちらの赤い髪の少女が件の・・・」
「お疲れ様,そうだよ。可愛いでしょ」
「ハハハ!アダーラ殿は相変わらずですな・・・騎士証は確認できました。どうぞお通りください」
「ありがとう,でもマァクラかわいいのが悪いのだよ,かわいいは正義であり時には悪なのだ!」
アダーラが変なことを言出した,こいつはバカだうちにはわかる。
アダーラが片手をあげて先に進むから真似をしてうちも片手をあげながら進む。
門番が子供を見るような眼でうちを見てくる・・・何なのだ・・・・
しばらく光物や誰かの絵いろいろなものが飾られている中を進むと
ウェズンとムリフェインがいた
「あ・・・・」
突然口を開いたためか情けない声が出てしまう
「お,来たか体に異常はないかマァクラ」
開口一番ウェズンが心配してくる,やはり見た目に反して優しいやつのようだ
とりあえず腕の毛を引っ張って「うん」とうなずいておく
「そっか,よかった・・・・じゃあ言いたいこともあるだろうけど王に報告しようか,団長は先に中に入っているよ」
ムリフェインが安堵した声で伝えてくる。
「じゃぁ入りましょう!」
アダーラが大きな声で入ることを伝え大きな扉を開く,そこには2人椅子に座っている人と部屋を囲うように座っている人がいたその中央にムルジムがぽつんと1人立っている。
可愛そうに一人で立っているムルジムの隣にうちが立つ,5人そろうとみんなが頭を下げる。
さっきみたいに,見られるのはちょっと嫌なので今度は真似しない。
すると
「なんだね,王に対してその態度は!」
ちょっと髪が他の人より少ない人がうちを見ながら声を荒げる。
「よい・・・おぬしはちょっと型にはまりすぎているのではないかね?ムルジム君からちょろっと記憶喪失であると聞いておったであろうに・・・・・ではムルジム君報告を頼むぞ」
「わかりました。ではまず姫の予知夢であったように森が光で支配されました,その後池が蒸発おそらく光が原因でしょう,その後少女マァクラを発見,保護,そして記憶がないことを確認,そしておそらく王級ドラゴンと思われるドラゴンと対峙し壊滅,見逃され今に至ります」
「そうか・・・・しかし池が蒸発するほどの熱量を持った光か・・・・それになぜドラゴンはみすみす獲物を見逃したのだろうか・・・・・」
「池の光は目を潰さんばかりの照度でした,池を干上がらせるほどの力は,上位の魔術師が100人いても足りないかもしれません・・・・ドラゴンに関しては何とも,少女マァクラを凝視していたのはわかりましたが,いかんせん一瞬でやられてしまいましたので詳しい事は何も」
「そうか,ではマァクラといったな,記憶喪失でよく覚えていないこともあるとは思うがお主にもいくつか質問をさせてもうがいいかの?」
「わかった・・・頭で考えるのと違って,話すの得意じゃない」
「よいよい,自分の言葉で話すがいい,では早速じゃが,じゃぁおぬしは何が好きかの?」
「飯!」
好きな物?飯に決まっているだろう?
「お,つかみはバッチシかの?じゃぁ魔力はわかるかの?魔法は使ったことはあるかの?ちょっとアダーラ君見せてあげなさい」
「了解です,では・・・ファラ!」
アダーラの声とともに手から小さな火が出てくる
「魔力?魔法?使ったことないと思う」
「そうか・・・魔力の存在を知らなければ魔力玉に触れても意味ないしの,ちょっと失礼」
王は何か自己完結し,自分の隣に立っている兵隊さんの槍を奪い取りおもむろに刃で指を傷つける。
「ほりゃ,血が滴っているのがわかるかな,これは体の中を巡っているそれと同じように魔力も体中を巡っているのさ,ぐるぐると体を廻って巡っている,するとなんということじゃろう!体の中に!奥に!熱くたまっている何かが!って感じでなんか感じないかの?」
ブフ!!隣でムルジムが噴出している・・・汚い・・・
王は良い人っぽい嫌いじゃない・・・・
王に言われたことを想像する,身体を巡る,回る,廻る・・・暖かい・・・溜まっている
奥に居る,隠れている,潜んでいる,
カチャン・・・開く・・・起こす・・・・
『おはよう』
引きずり出す!
「いた・・・・」
うちの中から何かが爆発した