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妖刀使いの妹(ペット)  作者: 黒楼海璃
No.1 ある日、妹が出来ました。
9/32

No.8 開眼

「新藤が見つからない?」

『然り。見つからないで御座る』


 俺は医院の外で新藤達の行方を捜していると連絡を取っていた。


『昨夜、師匠の情報を元に手分けし、半径20㎞圏内を隈なく捜索したものの、新藤達の行方は一行につかめず、そのまま現在にまで到る次第で御座る』

「……そうか」


 夜千瑠どころか風魔一族の網にすら引っ掛からないという事は、新藤達の上には厄介な奴がついていると考えても不思議じゃないか。なんだか面倒臭い方向に話が進むなぁ。


「夜千瑠、については何か分かったか?」

『……その事なので御座るが、少々奇妙な事が』

「何だよ。奇妙な事って」

『……美雨殿の戸籍が無いで御座る』

「は?」


 俺は一瞬耳を疑った。聞き間違いか?


「夜千瑠、悪いがもう一度言ってくれ」

『美雨殿の戸籍を調べてみた所、美雨殿の名前が何処にも無いので御座る』

「お、おいおい。それは変だろ。何で無いんだよ」

『……考えられるのは二つで御座る。

 一つ、美雨殿の戸籍は元から無かった。即ち出産届けを出していなかった。

 二つ、戸籍はあったものの何者かによって消された。

 現段階ではこの二つのどちらかと』

「何だよそれ……」


 なんだか余計に面倒臭い事になってきたな。


「夜千瑠、他には?」

『師匠より受け取ったスーツケースとAEB、この二つからは指紋は検出されなかったで御座る。しかし、スーツケース内に粉末が見つかったで御座る。これについては現在も鑑定中との事。AEBの方は量産型の銀で作られたもので購入元から辿るのは難しいで御座る』

「……そうか」


 夜な夜な移動していた新藤とその仲間達、スーツケースの中にAEBで拘束されて入っていた美雨、謎の粉。


「……夜千瑠、一つの仮説として、美雨は人体実験に使われていたかもしれないな。それだったら戸籍が無い理由も納得が行く」


 美雨の戸籍が無いのは、実験体である美雨の死亡を表沙汰にするのを避けたいから、そして粉は恐らく麻酔薬か実験に使われた薬。それなら美雨が運ばれていた理由も頷ける。


『……しかし師匠、美雨殿には薬物免疫メディスン・レジスタンスがあるのではなかったで御座るか? それならば薬に関する実験はほぼ失敗に近いで御座る』


 それはご尤もだ。

 美雨の薬物免疫はかなりのもの。特に毒を受けても100%平気というのが驚きだ。ちなみに夜千瑠も訓練によって毒物には100%の耐性が付いている。

 もし仮に美雨が何らかの薬を投与されていたとしても、その薬は強い免疫力によって無害になる可能性が高い。それだったら薬物実験の線は違う。

 ならば考えられるのは、異能実験だ。

 俺は今までに何回か異能実験をする秘密結社共のアジトに潜入して壊滅させた経験がある。勿論複数人でだ。

 異能実験の内容は恐ろしく非人道的だ。被験者の自由をAEBで奪い、どんな異能かをさんざん調べ上げて解剖も改造も洗脳もお構いなし。調教された異能者は精神が崩壊し、全てを破壊する殺戮兵器へと変貌する。もしかしたら美雨もそれをされそうになったのか、或いはもうされていたのか。


『……師匠、恐らく美雨殿が異能持ちである以上、師匠達への危険も倍加するで御座る。くれぐれもご注意で御座る。拙者も出来る限りの協力はする故』

「ああ、分かった。ありがとう。夜千瑠、悪いがお前の方からはるにも連絡しておいてくれ。多分今回もアイツがいた方が楽になる筈だから」

『御意』


 夜千瑠は返事をして電話を切った。

 ふと自分の拳がプルプルと震えているのに気付いた。俺は心の底から湧き出てくる怒りを必死で抑え込む。今ここでキレたら近所迷惑だ。


まさ。落ち着きなさい』


 腰のむらまさが俺を宥めてくれる。


「ああ。分かってる。そんな事より早く戻らないとな。美雨の奴、寂しがってるだろうし」

『そうね』


 スマホをポケットに仕舞い、医院の中へと戻って行った。



 結局その後はガールズトークをしている女性陣の輪にどうやって入ろうか十分間考えた挙句、ここは普通に入った方がいいだろうと思って普通に入ったら姉さんに抱きつかれて顔を爆乳に埋められてから一日が過ぎるのが始まり、帰りも俺が梓と美雨を抱えて屋根から屋根へと跳んでいた。


「ま、正刀! まだぁ!?」

「まだまだですよ。お嬢様」


 最初は梓が嫌がっていたのだが、美少女である梓と美雨が普通に夜道を歩いていたら色々な野郎共が二人に近づいて面倒だ言った所、梓は渋々了承した。ついでに一緒に歩いている俺も憎悪の視線を向けられるのが嫌だし。

 妖筋の跳躍は慣れれば気持ち良いが梓にとっては絶叫マシーン顔負けの怖さらしいので、跳んでいる間は梓には目を瞑ってもらっている。


「美雨は平気か?」

「……うん」


 一方の美雨は特に怖がっている様子も無くいつも通り。それは良いが、結構風が来るのでスカートが勢いよく靡く。手で押さえていないせいで白パンツが丸見えになっちゃってますよ美雨さん。それを見れて俺は嬉しいですが。


「正刀! あとどれぐらいで着くの!?」

「頑張って五分以内に着くようにするから、それまで我慢してろ」


 もっと脚力を強化すればより遠くかつ速く跳ぶ事が出来るのだが、それだと梓と美雨の身体への負担も余計に掛かるのでこれ以上は強化する事が出来ない。


「ねえ正刀」

「まだ着いてねえぞ」

「そうじゃなくて、正刀は本当に美雨を家族にするつもりなのよね?」

「そりゃ勿論。それが可能だったらな」


 俺は即答した。すると梓がまた聞いてくる。


「じゃ、じゃあさ、美雨を家族にしたとして、その後はどうするの?」

「どうするのって、美雨の為に家具とか服とか日用品揃えたり、学校に編入手続きしたりに決まってるじゃん」

「その後は?」

「銃剣警局で美雨の監視役を俺にやらせてもらうように交渉する。その時は晴菜に力を貸してもらうさ」

「その後は?」

「その後? そうだなぁ……」

『美雨を妹として調教してあげれば?』

「それだ!」

「それだじゃない!」


 梓が怒鳴り声を上げる。耳元で怒鳴るのは止めて下さい梓さん。結構煩いです。


「だ、大体、ちょ、調教って何する気!?」

「別に大したものじゃないさ。まず俺への呼び方は“お兄ちゃん”が良いかなぁ」

「その時点で絶対に駄目!」


 梓は顔を真っ赤にしながら怒鳴り続ける。まあそれは無理も無い。初心な梓にとってそういうワードには耐性が少な過ぎる。


「……とりあえず、今は帰る事を専念しないとな。しっかり掴まってろよー」


 俺は屋根の次に電柱へと跳び越える。その直後だった。


「…………?」


 突然、妙な気配を感じた。


『正刀』


 村正もその気配に感じたみたいだ。その証拠に、普段とは違う、真面目な時の声になっている。


「ど、どうしたの二人共?」


 いきなり村正が出した声に梓が尋ねる。


「……いや、なんか変な気配を感じた。それも、昨日みたいな」


 俺はあやまなこで周囲を見渡す。時刻は夜八時。周りは暗いが、妖眼による暗視補正と視力補正で問題なく視界を見渡せる。

 周囲50m圏内に妙な感じは確認されない。

 100m圏内も異常無し。

 200m圏内異常無し。

 500m圏内異常無し。

 1㎞圏内…………?

 左側にある、1㎞先のビルの屋上。そこに奇妙な人影があった。拡大鮮明化を行うと、その人影は目測だが身長170前後、体格は中肉中背、恐らく男。全身黒い服を着て黒いサングラスに黒い帽子で顔を隠している為素顔は見えない。

 だが分かる。あれは危険だ。

 銃剣警になって三年。俺もそういう判別ぐらいは出来る。あれは数々の修羅場を潜って来た、殺し屋だ……!

 息を呑んだ。男は銃を持っていた。

 L96A1・AWM。イギリス軍で制式採用されているボルトアクション方式の狙撃銃。装弾数は10発。射程距離は.338ラプナマグナム弾を使用した場合は約1500m。

 男はAWMで狙いを定めている。その証拠に、赤いレーザーポインタが俺の頭をしっかりと捉えていた。

 俺が気付いたと同時に撃った。

 ――ドォンッ!

 銃弾はそのまま一直線へと進み、


「――おわっ!」


 被弾する寸前で頭を動かして避けた。だが今ので妖筋の跳躍が途中でキャンセルされ、そのまま落下する。


「な、何ッ!?」

「ッ!?」


 梓と美雨も状況が呑み込めないまま俺と一緒に落下。


 ――ズドォォォォンッ!


 だがそこは妖筋。上空数百mからの落下でも強化された脚は無事だった。

 俺達が落ちた場所は河川敷。すぐに梓と美雨を降ろして周囲を警戒する。


「ちょっ、どうしたのよ正刀!?」


 梓は突然の衝撃にビックリし、目を開けて俺に尋ねる。


「……狙撃された。避けたけど」

「ッ!? だ、誰に?」

「……多分、コイツらの仲間に」


 俺はゾロゾロと姿を現した黒尽くめの男達を見ながら言う。

 ヤバい。人数は十人。全員てだれ揃いだ。しかも得物がコルトXM177アサルト・ライフル。1966年にアメリカ陸軍が特殊部隊向けに限定配備した突撃銃。それを全員が武装している。

 男達は俺達を囲う様に立ち止まり、その内の一人が口を開く。


「……実験台モルモットは絶対に傷付けるな。捕獲後残りは始末だ」


 実験台ってのは恐らく美雨の事、残りってのは俺と梓の事を言っているのだろう。

 間違いない。コイツらは新藤の仲間、或いはそれに雇われた人間達。

 男達は一斉にXM177を俺達に向ける。

 それと同時に俺も腰の村正とホルスターのグロックに手を掛ける。


「梓、美雨、伏せろ」


 梓は俺の指示にすぐに従い、美雨と一緒に伏せさせる。そして次の瞬間、


(――螺旋撃ちトルネードッ!)


 俺は体を一回転した。正確には、回転しながらグロックを撃った。

 妖眼の暗視補正、動体視力補正、妖筋の筋肉安定補正のおかげで俺が撃った銃弾は全弾命中した。


 ――ドォンッ!


 XM177の銃口の中に。


「「ッ!?」」


 男達は一斉に驚きの表情を見せる。たった一瞬で自分達の銃が破壊されたのだ。それも、一高校生の俺に。

 銃は破壊され、爆発が生じたが、男達は特に気にはしない。すぐにさま背中や懐に忍ばせていたポケットナイフや短刀、日本刀を抜く。

 妖眼の透視補正で確認したが、コイツらはXM177以外の銃は持っていない。何で予備の拳銃持ってないかな。

 て事で、ここから先は単純な殴り合い(斬り合い)。俺の領分だ。


「やるぞ相棒(村正)

『了解相棒(正刀)


 俺は妖筋で腕力、握力、脚力、を追加強化。骨格、神経、皮膚も強化。

 ――バキバキバキバキバキバキバキバキバキバキッ!

 俺の全身から凄まじい怪音が鳴り響き、それを見た男達は観察し始める。

 フッ、馬鹿な奴らだ。様子見している暇なんか無いぜ。


「……くうかんいっとうざん


 俺は村正を抜刀した。


 ――シィンッ!


 この場にいる全員が驚愕した。男達の日本刀が一本、刃が根元から綺麗さっぱり切り落とされたからだ。

 空間一刀・時斬は抜刀時にしか使えない跳躍居合い切り。有効範囲は使い手の目に映る範囲内。村正の刃なら日本刀一本を切り落とすぐらい簡単にやってのける。一度に出来たのは日本刀一本だけだが、リーチのある武器を壊しておくのが賢明だろう。


「……さて、どういくよ相棒」

『いつもどおりで良いんじゃない?』

「だよな」


 俺は抜刀した村正を構える。

 男達は何の合図もなしに、消えた。


「ッ!」


 男達の速さは俺の予想よりも少し上だった。


 ――ギィンッ!


 だが俺はナイフを村正で受け止める事が出来た。動体視力補正はちゃんと効いている証拠だ。

 男達はまったく同じタイミングで一緒に仕掛けてはいない。正面の一人が俺をひきつけて、残りが梓と美雨を襲うつもりだったらしく、後ろにいた六人と横の三人が一斉に突っ込んできた。

 だがその作戦は失敗だ。


えんげついっとうかいてん!」


 俺は村正を強く握り、力一杯薙ぎ払う。


 ――ドォォォォォンッ!


 瞬間的に放った斬撃がその速度と振るう腕力の強さで衝撃波が生じ、男達を一気に吹き飛ばした。

 円月一刀・回天は妖筋で強化した腕力を持って刀を力一杯振り、その余波による衝撃波で周囲のものもまとめて吹き飛ばす広範囲技。まともに受ければ内蔵が圧迫される致命傷だが、今回は梓と美雨を巻き込むのを防ぐ為に威力は吹き飛ばす程度で抑えてある。

 男達は何事も無かった様にスッと立ち上がる。

 抑えたとはいえ無事では済まない回天を受けて立てるって事は、やっぱりコイツらヤバいな。

 村正だけでは力不足になる。そう思って拳を力強く握り締め、バキバキと音が鳴るぐらいに握力を強化する。


せつ!」


 俺は力を篭めた拳を回転させながら地面に叩きつける。

 ――ズゥゥゥゥゥンッ!

 少しだけ地面が揺れた。


「「っ!?」」


 男達が目を見開き、次々とバタリ、バタリ、と倒れていく。

 紅解羅刹は体重を乗せた拳を地面に叩き付け、その途中で生み出した振動波を対象を足元から全身へ伝い、気絶させる、俺が持つ体術の一つ。

 これで終わりかなぁ……あ、立ち上がってる奴がいた。やっぱ簡単にいかないよな。

 倒れた筈の男達はフラフラと立ち上がる。ゾンビかよ。

 だが紅解羅刹の振動波で脳に一時的な障害は起こっている。さっきと比べて正常には動けない。

 その刹那、背後から殺気……!


「正刀後ろ!」


 梓が叫んだ時には既に振り返っていた。背後に日本刀を振り翳した別の男達がいた。数は数は三人。


(しまった、伏兵かっ!)


 俺は一人を村正で殴り飛ばし、二人目を回し蹴りで蹴り飛ばす。だが最後の三人目は日本刀ではなくナイフを持っていた。しかもこれが速い。俺に刺さるのなら兎も角、梓や美雨に当たる可能性が高くなった今、俺が急いで二人の前に出ようとしたその瞬間、


「――フンッ!」


 ――ズドンッ!


 突然、その男の頭上から何かが降ってきて、男が視界から消えた。いや、頭を蹴られて地面に顔が減り込んだのだ。たった今来たコイツのおかげで。


「……師匠。風魔夜千瑠、只今参上仕ったで御座る」

「グットタイミング、と言っておこうか夜千瑠。あと師匠は止めろって」


 いきなりやって来た俺の後輩、夜千瑠は腰の忍者刀を抜いて臨戦態勢に入る。どうやら俺の電話を受けた後で俺を捜していたんだろう。

 これには感謝していた。少なくとも十数人のてだれを女の子二人を守りながらやるのはキツいとも思っていたから。


「師匠、此奴等は殺めるで御座るか?」

「いや、出来れば止めとけ。可愛い女の子の前で惨いシーンは見せたくない」

「御意」

「ちなみに可愛い女の子というのはお前も入っているからな夜千瑠?」

「なっ!?」


 冷静沈着な夜千瑠が驚きの声を上げ、顔が赤くなる。暗くて見づらいが。

 顔の半分を隠しているので分かりづらいが、実は夜千瑠は美少女くノ一だ。普段は口元を隠して素顔は把握しづらい。

 以前、アイツの素顔を土下座して見せてもらった時には正直度肝を抜かれた。俺はこんな美少女を後輩として扱き使っているのだ。嘆かわしいなぁ。

 で、後で気付いたが、夜千瑠は飲食する時は普通に口当てを外しているので、その時に見れば良かったなぁと土下座した自分を後悔した。


「し、師匠! そ、そういう戯言は状況を選んで申して欲しいで御座る!」


 とか言いつつ夜千瑠は忍者刀で次々と男達を切り捨てている。殺してないけど。

 俺も峰打ちで次々と男達を屠っていく。殺してないけど。だが倒しても倒しても伏兵達がドンドンと姿を現し、その都度斬ってはまた伏兵が顔を出してまた斬っていく。最初から出ていろよな。面倒臭い。

 しかも伏兵達は拳銃持ちだから一々破壊するこっちの身にもなって欲しいぐらいだ。

 最終的には五十人ぐらいで止まり、俺と夜千瑠は梓と美雨を守りつつ男達を倒していく。

 途中夜千瑠が梓と美雨を連れて離脱するという考えが浮かんだが、相手が雑魚ならまだしもてだれ揃いなら現実は上手くいかない。


「さてと、コイツらそろそろ諦めてくれないもんかねぇ」

「師匠、それは思うだけ無駄というもので御座る。連中が懲りるという言葉を知っていれば僥倖で御座るが」


 だよな。

 そろそろコイツらも逃げる手も出てくる筈なのにその気配がまったく無いという事は、コイツらは単なる使い捨て? 単に雇われただけの傭兵。つまりここで全員捕まえても主犯に辿り着くのは程遠いと見た。


「……まあ、兎に角片付けないとな」

「御意」


 俺は村正で男を薙ぎ倒す。コイツらは確かに強いには強いが、村正を装備して身体能力強化の俺の敵ではない。この調子なら応援が来る前に解決……


(…………?)


 何だ。不意に今、妙な空気が素肌を過ぎった様な。


『正刀!』


 いきなり村正が荒々しく声を上げた。しかも焦っている。


「どうした村正」

『美雨が危ない! 早くなんとかして!』


 俺は美雨の方を見る。特に襲われている訳でもなく、狙撃銃に狙われている訳でもない。けど村正が危ないと言った時は大抵が異能絡み。そして美雨は異能を持っている。という事は、なんかヤバい事になる!?


「おい村正、なんとかってどうすんだよ」

『何でも良いから! 気絶させてでも美雨を止めて!』


 何だ、一体何なんだよ村正。その焦り様は。


「…………」


 俺の疑問に答えるかの様に、突然美雨が静かに立ち上がった。


「ちょっと、どうしたの美雨。危ないわよ」


 梓が言うにも関わらず、美雨の耳には入っていないのか、無反応で立ったままだ。


「ッ!?」


 その違和感は俺も感じた。

 何故なら、美雨の目に光が灯っていないかった。というよりも闇が宿っているかの様な。

 その光無き目を見た途端、背筋が凍るような殺気を美雨から感じた。何の前触れも無く、おぞましいぐらいに。


『正刀! 梓を美雨から離しなさい!』


 村正の言った直後に、俺は梓の腕を引いて抱き寄せる。その次の瞬間、




































 ――“何か”が、目覚めた。


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